債券続落、先物3週ぶり安値-ESM合憲や米緩和観測で株高・米債安

債券相場は続落。ドイツ連邦憲法裁 判所が欧州安定化メカニズム(ESM)の批准を認める判断を下したほ か、米量的緩和第3弾(QE3)観測を背景に前日の米国市場で株高・ 債券安となった流れを継続した。先物相場は3週間ぶり安値を付けた。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「米連邦準備制 度理事会(FRB)が資産規模を拡大すれば株価が上昇するというのが これまでの経験則。規模や住宅ローン担保証券(MBS)が含まれるか などもあるが、QE3を織り込み、株価が上昇しており、債券は売りが 出た」と説明した。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比15銭安の143円65銭で始 まり、いったん143円67銭まで下げ幅を縮小。その後は、国内株価が上 げ幅を広げたことから売りが膨らみ、午後に入ると143円48銭まで下落 し、中心限月の日中ベースで8月21日以来の安値を記録。結局は20銭安 の143円60銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の325回債利回りは 同1.5ベーシスポイント(bp)高い0.82%で開始。その後は徐々に水準を 切り上げ、一時3bp高い0.835%と、8月21日以来の高水準を付けた。 その後は上げ幅を縮め、午後3時以降は2bp高い0.825%で推移した。

UBS証券の伊藤篤シニア債券ストラテジストは、「米国ではQE 3実施の可能性が強まっていることから利回り曲線は傾斜化しやすい。 QE2の時ほどではないものの金利は上昇方向ではないか。長期金利 は0.9%抜けはないだろうが、0.8%台後半はありそうだ」と話した。

5年物の106回債利回りは一時1bp高い0.22%と、新発5年債利回 りとして8月22日以来の高水準を付けた。20年物の139回債利回り は2.5bp高い1.675%。30年物の37回債利回りは2.5bp高い1.905%まで上 昇した。

20年入札、応札倍率2年ぶり高水準

財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)1.7%の20年利付国 債(140回債、9月発行)の入札結果によると、最低落札価格は100円35 銭と市場予想と一致。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札 価格の差)は8銭となり、低調だった前回の24銭から縮小。投資家需要 の強さを示す応札倍率は4.54倍と2010年9月以来の高水準となった。

UBS証の伊藤氏は、20年債入札について、「前回は低調だったの で警戒感があったものの、無難な結果となった」と分析した。

日本相互証券によると、きょう入札された20年物国債の140回債利 回りは、業者間市場では1.675%で寄り付いた。その後はやや水準を切 り下げ、1.67%で推移している。

12日の米株相場は上昇。主要株価指数は4年ぶり高値付近で推移し た。ドイツの連邦憲法裁判所が12日、恒久的救済基金であるESMの批 准を条件付きで同国に認める判断を下したことが手掛かり。また米金融 当局による景気刺激策への期待も広がった。S&P500種株価指数は前 日比0.2%高の1436.56。一方、米債相場は下落。米10年債利回りは6bp 上昇の1.76%程度。一時は1.77%と3週間ぶり高水準を付けた。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは「欧州債 務問題のリスクオフ(回避)の巻き戻しが続いており、円債は売りが先 行した。ドイツ連邦憲法裁判所のESMへの合憲判断は事前の想定通 り。欧州問題で最悪のシナリオは消えつつあるものの、一気に解決とも いかない」と話した。

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