独憲法裁:ESM批准を承認-負担上限1900億ユーロが条件

ドイツの連邦憲法裁判所は12日、恒 久的救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)の批准を条件付き で同国に認める判断を下した。批准差し止めを目指した訴えを退ける一 方、ドイツの負担については議会の承認がない限り1900億ユーロ(約19 兆1000億円)を上限とすることが必要との考えを示した。

憲法裁は、5000億ユーロ規模のESMと赤字抑制の財政協定につい て違憲性を主張し批准阻止を目指した訴えを退けた。メルケル首相の危 機対応の政策を支持した形となった。ただ、ドイツの負担については議 会が追加拠出を承認しない限り、上限を設定することを批准の条件とし た。

レスラー副首相兼経済技術相は憲法裁の判断後にベルリンで記者団 に、「ユーロ圏の安定というわれわれの目標に近づく重要な一歩だ」と 言明。「現政権は常に、明確な上限を設定することと全ての重要な決定 に議会を関与させることを目標としてきた」と述べた。

合憲性をめぐる審理がESMの発足を遅らせてきた。暫定基金の欧 州金融安定ファシリティー(EFSF)の資金は2013年半ばまで利用可 能。後を引き継ぐESMの稼働は、メルケル独首相らが取り組む危機解 決策の要だ。救済基金は、欧州中央銀行(ECB)がスペインやイタリ アなど高債務国の国債利回り押し下げに向けた購入プログラムを実行す る際、ともに行動することになっている。

ベレンベルク銀行のチーフエコノミスト、ホルガー・シュミーディ ング氏はリポートで憲法裁の判断について、「危機収束に向けた大きな 一歩だ」と評価。債務危機は終わってはいないものの「段階的に信頼が 戻り」ドイツやユーロ圏経済の回復につながるだろうとの見方を示し た。

憲法裁のアンドレアス・フォスクーレ裁判長は、この日の判断を下 すに当たって、ESMのドイツ負担上限と同基金に関する独議会の発言 権をめぐる不透明な要素についても審理されたと述べた。また、ドイツ はESMの批准時にこれらの条件が効果的に守られない場合、同国が条 約に拘束されないことを明示する必要があるとも述べた。

ESMと財政協定をめぐる訴えは、独議会が双方について可決した 後に起こされていた。裁判所は、独連邦議会(下院)が「常に、歳入と 歳出について独立して決定する機関であらねばならない」とし、ドイツ は「他の国の負債を肩代わりすることにほかならない国際的な仕組みに 恒久的に合意することはしてはならない。結果を計算するのが困難な場 合は特にそうだ」と論じた。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセン ブルク首相兼国庫相)はこの日、電子メールで声明を配布し、ESM が10月8日に稼働すると発表。ルクセンブルクでの初回会合を同日に予 定していることを明らかにした。

憲法裁はまた、ESM条約は同基金がECBから借り入れることや 債券を担保としてECBに差し出すことを禁じていると解釈されなけれ ばならないとの見解を示した。欧州連合(EU)の法律がECBに対 し、加盟国政府の財政を賄う意図で債券を購入することを禁じているた めだと説明した。

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