NY外為:ユーロが対ドル4カ月ぶり高値-独憲法裁判断受け

ニューヨーク外国為替市場では、ユ ーロが対ドルで4カ月ぶり高値に上昇した。ドイツ連邦憲法裁判所が恒 久的救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)の批准を認める判 断を下したことを受け、ユーロ買いが膨らんだ。

ユーロは円に対して続伸。独憲法裁はESM批准に異議を唱える申 し立てを退けた一方、基金へのドイツの拠出額に1900億ユーロ(約19 兆1000億円)の上限を設定した。ドルは主要16通貨の大半に対して下 落。12日から2日間の予定で開催されている米連邦公開市場委員会( FOMC)で、国債買い入れが決定されるとの観測が背景にある。南ア フリカ・ランドはユーロに対し年初来安値に下げた。国内の労働ストを めぐる緊張の高まりを受けたランド売りが進行した。

HSBCホールディングスの為替戦略責任者、ロバート・リンチ氏 (ニューヨーク在勤)はブルームバーグテレビジョンとのインタビュー で、「ドイツ連邦憲法裁判所の判断内容は大方予想されていたとはい え、今年上期のユーロ下落を引き起こした周辺国市場をめぐる緊張の緩 和へ向け、障害をまた一つ取り除いた格好だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.4%高 の1ユーロ=1.29ドル。一時1.2937ドルと、5月11日以来の高値を付け た。円に対しては0.5%上昇して1ユーロ=100円42銭。円は対ドル で0.1%安の1ドル=77円86銭となっている。前日は6月1日以来の高 値を付けていた。

ドイツの憲法判断

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は電話インタビューで、 独憲法裁の判断は「ユーロの不確実性につながる主要な根源を緩和する 一助となる」とし、「ユーロの底堅さの背景には、米金融当局の追加緩 和実施が近いとの期待感もある」と述べた。

ドイツを除く全てのユーロ参加国が既に、ESMを批准している。 ESMは参加国に対する5000億ユーロ(約50兆円)相当の融資能力を持 ち、政府債購入を通じた借り入れコスト抑制を行うこともできる。

南ア・ランドはユーロに対して昨年12月21日以来の安値を付けた。 労働者の代表にスト中止と賃金協議への参加を説得する仲裁の試みが失 敗に終わり、ランド売りに拍車がかかった。ストは近辺の鉱山に広がる 恐れがあり、プラチナの先物価格は過去最高を更新する可能性がある。

ランドは対ドルで1.9%安の1ドル=8.3346ランド。一時は2.6%安 と、5月30日以来の大幅安となった。ユーロに対しては2.2%安の1ユ ーロ=10.7512ランド。一時、最大2.8%安を付けていた。

追加緩和観測

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると、ユーロは過去1カ月間 で2.6%上昇し、同指数を構成する先進10カ国の通貨中で上昇率首位。 同期間中にドルは2.4%、円は1.8%それぞれ低下した。

安住淳財務相は12日、円相場は投機的な動きを見せているとし、容 認できない相場の動きに対して政府は措置を講じる用意があると述べ た。安住財務相は、「昨日からの動きを見ても、投機的な動きが明らか だという感じがする」と指摘した上で、「断じてそれは容認しない」と 発言。円は同日、対ドルで0.7%上昇していた。同財務相は記者団に対 し、「断固たる措置は取るときは必ずやります」と強調した。

円は3月中旬以降、対ドルで7%余り上昇。米当局が追加緩和策に 踏み切れば円高の勢いが増す可能性がある。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想では、FOMCは明日 の声明で量的緩和第3弾(QE3)を発表し、事実上のゼロ金利政策 を2015年まで延長すると見込まれている。過去2度にわたり実施された 合計2兆3000億ドルの資産購入は労働市場の底上げ効果を発揮しておら ず、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は先月、失業率は 「深刻な懸念材料」であると述べた。

原題:Euro Rises to 4-Month High as Court Clears Way for Bailout Fund(抜粋)

--取材協力:Mark McCord、David Goodman、乙馬真由美.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE