日本株は反発、中国や米国政策期待で資源や素材買い-先物押し上げ

東京株式相場は反発。中国の経済 刺激策や米国の追加金融緩和策への期待、商品市況高を受け非鉄金属 や鉱業など資源関連株が上昇。鉄鋼や化学など素材関連株も買われ、 前日の海外市場で進んだ円高の動きが一服し、電機や輸送用機器など 輸出関連株も徐々に堅調な値動きとなった。

TOPIXの終値は前日比9.56ポイント(1.3%)高の741.82、 日経平均株価は152円58銭(1.7%)高の8959円96銭。先物主導で 午後に上げ幅を広げ、両指数ともきょうの高値引け。日経平均は8月 30日以来、約2週間ぶりに終値で8900円台を回復した。

セゾン投信運用部の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、「欧州 中央銀行(ECB)の国債買い取り発表以来、いい流れが続く中、機 械受注の市場予想を上回る内容が相場を後押しした」と指摘。中国の 公共投資による景気刺激策に関しては、「外需減速で落ち込んだ経済を 下支えする効果はある」としている。

中国の温家宝首相は11日、天津市で開催された世界経済フォーラ ムで、「金融面でも財政面でも、中国にはまだ十分な力強さがある」と 発言。中国政府には1000億元(約1兆2300億円)規模の財政安定基 金があり、「安定した経済成長の促進に向けた先制的な政策および微調 整のために、適切な形で利用していく」とも述べた。

また、米国の追加金融緩和策と景気刺激期待を背景にきのうの米 S&P500種指数は0.3%高と反発、ニューヨーク原油先物相場は

0.7%高と5日続伸しており、流動性相場の継続を見込むこうした動き は日本株も支援した。エドモンド・ド・ロスチャイルド・アセット・ マネジメントの香港在勤のシニアポートフォリオマネジャー、デービ ッド・ゴード氏は「世界的な資産配分を株式にリバランスすることは 有意義で、恐らくそうしたリスクオンの売買は起こっている」と言う。

円高一服、先物買い影響も

この日の日本株は朝方こそ小高い水準で始まったが、先物へのま とまった買いをきっかけに徐々に上げ幅を拡大。日経平均はチャート 分析上、投資家の短期売買コストを示す25日移動平均線(8960円)、 中期コストを示す75日線(8784円)で形成されたボックス圏の上限 に迫った。

前日の海外為替市場で、ドル・円が一時1ドル=77円70銭と約 3カ月半ぶりの水準まで円高・ドル安が進み、輸出関連株が軟調なス タート。ただ、東京時間に入ってから円高の動きは一服し、輸出株の 持ち直しは株価指数の押し上げに寄与した。

さらに今週末は、株価指数先物・オプション9月限の特別清算値 (SQ)算出も控え、これに絡む持ち高整理の動きも先物主導による 上げ拡大の一因。日経225オプションの取引では9000円や9250円の コール(買う権利)、8750円プット(売る権利)の売買が活発だった。

機械受注は予想上回る

取引開始前には内閣府から7月の機械受注統計が発表され、民間 設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」は前月比4.6% 増の7421億円と、伸び率はブルームバーグがまとめた事前の市場予想 の中央値2%増を上回った。増加は2カ月連続。SMBC日興証券の チーフエコノミスト、牧野潤一氏は「基調自体は弱含み」と指摘する など専門家の間からは動向に慎重な受け止め方も出ていたが、きょう の相場にマイナスの影響を与えることはなかった。

東証1部の売買高は概算で15億4715万株、売買代金は8732億円、 値上がり銘柄数は1318、値下がり234。売買エネルギーは前日比で1 割強増えたが、きょうの海外市場ではドイツの連邦憲法裁判所による 欧州安定化メカニズム(ESM)の合憲性判断、12、13両日は米国の 連邦公開市場委員会(FOMC)も開かれるため、これらの内容を見 極めようとの姿勢も継続。代金は3日連続で1兆円を下回った。

東証1部33業種は非鉄、鉄鋼、鉱業、倉庫・運輸、精密機器、陸 運、その他製品、ガラス・土石製品、電機、食料品など31業種が上昇。 海運や電気・ガスの2業種のみ安い。

売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループやキヤノ ン、ソニー、グリー、ファナック、三井物産、TDK、パナソニック などが上昇。ファナックやTDKのほか、ファーストリテイリングな ど日経平均に占めるウエートが高い銘柄の堅調さが目立った。個別材 料株では、業績と配当計画を増額修正した三井ハイテックが上昇。こ れに対しOKIが急落。海外子会社の不正会計による純損失額が累計 で308億円なると前日発表、国内格付け会社による2段階引き下げの 材料も重なった。

--取材協力:野原良明  Editor:Shintaro Inkyo

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