債券は下落、米債安・株高やあすの20年入札が重し-欧米日程に警戒も

債券相場は下落。前日の米国市場で 株価が反発し、債券が格下げ懸念などから下げた流れを引き継いで売り が優勢となった。欧米で今晩に重要日程を控えていることへの警戒感に 加えて、あすの20年債入札も重しになり、午後に一段安となった。

東京先物市場で中心限月12月物は前日比5銭安の143円89銭で開始 し、直後に143円90銭を付けた後、売りが増えると午前10時過ぎに11銭 安の143円83銭まで下げた。午後に入ると、株高加速を嫌気して水準を 切り下げ、2時前後には143円73銭まで下落。結局は14銭安の143円80銭 で引けた。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは「株 価の上昇で債券は安く、あすに20年債入札控えており、動きにくい」と 話した。米連邦公開市場委員会(FOMC)については、「今の景気状 況であれば量的緩和第3弾(QE3)は実施しないとみている。6対4 でやらないとの見方ではないか。財政の崖の問題もあるので、今、政策 を出し切ってしまうのもどうかという感じ」とも述べた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の325回債利回りは 同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.80%で始まり、午前は0.805%で推 移。午後1時40分前後には1.5bp高い0.81%に上昇した。前日は0.795% と5日以来の0.8%割れだった。野村証券の松沢中チーフストラテジス トは、「今日は0.8%台へ押し戻されそう。0.7%台でFOMCを迎える のはややQE3実施側に相場を傾け過ぎている感がある」と指摘してい た。

前日に入札された5年物の106回債利回りは0.21%と、新発5年債 利回りで3営業日ぶりの高い水準。20年物の139回債利回りは横ばい の1.65%。30年物の37回債利回りも横ばいの1.88%。

FOMC

11日の米株相場は反発。市場ではFOMCが12、13日の定例会合で 追加緩和を決定するとの観測が根強く、相場を支えた。S&P500種株 価指数は前日比0.3%高の1433.56。一方、米債相場は下落。米10年債利 回りは5bp上昇の1.70%程度。米格付け会社ムーディーズ・インベスタ ーズ・サービスは米議会が債務圧縮をめぐり合意に達しなければ格付け を引き下げる可能性があると指摘したことも売り材料。

ドイツ憲法裁判所による欧州安定メカニズム(ESM)の合憲判断 やFOMCなど、欧米での重要日程の結果を見極めようと積極的な取引 は控えられた。ソシエテ・ジェネラル証券の菅原琢磨シニア円債ストラ テジストは「欧州中央銀行(ECB)理事会決定以降、米国株は上昇し て5年ぶり高値を付けた。FOMCを控えて、積極的に買いづらく、円 債利回りは上昇している」と指摘。「株はQE3実施を織り込み済み。 FOMC後の市場の反応を見極めてから円債には買いが入ってくるだろ う」とも述べた。

一方、野村証の松沢氏は「ESMには合憲判断が下されるとの楽観 論が広がっている。一方、QE3が決定されれば、債券高・株高・ドル 安、見送りとなれば、債券は横ばいないしは安く、株安・ドル高、との 考えは変わらない」と指摘した。

こうした中、財務省は13日に20年利付国債(9月発行)の入札を実 施する。11日の入札前取引では1.66%程度で推移しており、表面利率( クーポン)は前回債から0.1ポイント高い1.7%か、横ばいの1.6%とな る見込み。発行額は前回債と同額の1兆2000億円程度。

今回の20年債入札について、トヨタアセットの浜崎氏は「生命保険 などの投資家はやや慎重姿勢ながらも需要はあるとみられ、波乱はない と思う」と予想している。

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