日本株は下落、ユーロ安響き輸出など景気敏感業種売り-売買低水準

東京株式相場は下落。欧州債務問 題をめぐる懸念で為替が円高・ユーロ安方向に動いたため、企業業績 への警戒で自動車や機械など輸出関連株、鉄鋼や非鉄金属など素材関 連株といった景気敏感業種が売られた。今週は、欧米で重要イベント も多く、投資家の間で買い手控えの姿勢が強いことも影響した。

TOPIXの終値は前日比5.08ポイント(0.7%)安の732.26、 日経平均株価は61円99銭(0.7%)安の8807円38銭。東証1部の売 買代金は8月27日以来、およそ2週間ぶりの低水準。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「前日の米国株安に呼 応する格好で、保有株をいったんキャッシュ化する動きが出た」と見 ていた。米連邦公開市場委員会(FOMC)での決定が予想される量 的金融緩和第3弾(QE3)の規模や、それを受けた市場の反応を見 なければ投資家は大きく動けず、きょうは「薄商いの中、弱い売り圧 力に押されてしまった」と言う。

ギリシャのサマラス首相は10日、欧州連合(EU)欧州委員会と 欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)のいわゆるトロイカ の代表団と会談した。ストゥルナラス財務相によると、トロイカとの 交渉は継続している。ギリシャで連立与党の一翼を担う全ギリシャ社 会主義運動(PASOK)の幹部は9日、トロイカはギリシャが示し た115億ユーロ(約1兆1500億円)の歳出削減案のうち、20億ユー ロ余りに相当する措置に異議を唱えたと明らかにしていた。

欧州情勢の先行き不透明感から10日の欧米株式は下げ、同日のニ ューヨーク外国為替市場ではユーロが下落。11日の東京外国為替市場 では、1ユーロ=99円台後半と前日の東京株式市場終了時の水準(100 円台前半)から円高・ユーロ安方向で推移した。業績懸念からトヨタ 自動車や日産自動車、コマツ、ファナックなど時価総額上位の輸出関 連株が下落。米系格付け会社のムーディーズが長期格付けを2段階引 き下げたパナソニックも安かった。

イベント目白押しで買い控え、JAL要因も

今週は、米国で12-13日にFOMCが開催予定、欧州では12日 に欧州安定メカニズム(ESM)をめぐるドイツ憲法裁判所の合憲性 判断のほか、オランダの総選挙もある。14日にはユーロ圏財務相会合 が開かれ、ギリシャの進展状況が報告される予定だ。東洋証券投資情 報部の大塚竜太ストラテジストは、「週半ばから後半にかけ注目イベン トが目白押しで、通常の投資家は身動きを取れない」と話していた。

また、大和証券投資戦略部の高橋卓也副部長は「再上場する日本 航空株の購入資金を手当てするための換金売りが、相場全般に出てい た可能性もある」とし、需給面でのマイナス要因にも言及。10日には、 東証1部へ19日に新規上場するJAL株の公開価格が仮条件の上限 となる3790円に決定。JAL上場に伴う市場からの資金吸収額は6633 億円となる。

終盤は先物主導で荒さ

この日の日経平均は、午後半ばまで日中の高安値幅がわずか25 円程度にとどまっていたが、終盤にかけて先物主導でやや荒い値動き となった。今週末に、株価指数先物・オプション9月限の特別清算値 (SQ)算出を控え、デリバティブ(金融派生商品)の持ち高調整も 影響したとみられている。

東証1部の業種別33指数では鉄鋼、非鉄、ガラス・土石製品、電 気・ガス、機械、不動産、海運、輸送用機器、繊維製品など30業種が 下落。空運、小売、食料品の3業種は高かった。売買代金上位での上 昇銘柄はシャープ、ディー・エヌ・エー、グリー、JT、セブン&ア イ・ホールディングス、全日本空輸など。

東証1部の売買高は概算で13億1225万株、売買代金は7496億円。 騰落銘柄数は下落976、上昇538。国内新興市場では、ジャスダック指 数が0.3%安の50.80、東証マザーズ指数は0.8%安の331.97ととも に3営業日ぶりに反落。

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