ソロス氏:ユーロ圏の「不況」深刻化、ドイツへ波及の恐れ

資産家で著名投資家のジョージ・ソ ロス氏は10日、ドイツが主導する緊縮策の要請は債務危機を悪化させ、 すでに不況に苦しんでいるユーロ周辺国ばかりかドイツも不況におとし める危険があるとの見方を示した。

ソロス氏はベルリンで講演し、財政削減策は「一段と深刻かつ長期 の不況に欧州を追い込んでいる」と警告。「ドイツ国民はまだそれを実 感しておらず、あまり信じていない。だが周辺国では相当現実的な問題 であり、今後6カ月程度でドイツにも波及するであろう。忍び寄る不況 は大方自ら招いたものであり、悪夢は回避可能だというのが私のメッセ ージだ」と述べた。

また、ドイツ国内の議論はユーロ圏防衛に傾きつつあると指摘。同 国の選択肢の一つは17カ国から成るユーロ圏を離脱することだが、欧州 最大の経済国として通貨圏にとどまり「善意の覇権国」の役割を果たす 方が痛手は少なくて済むと論じた。そうなればメルケル独首相の経済諮 問委員会が提案するユーロ圏債務償還基金をドイツは採用しなければな らず、域内の高債務国に対し「景気循環連動型のさらなる緊縮プログラ ムの強制を控える」必要に迫られると続けた。

一方、ドイツ連邦銀行(独中銀)はインフレ対策に焦点を当てた時 代遅れの政策にこだわっているが、「危険視すべきはデフレだ」と批 判。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が提案した無制限のソブリン 債購入は効果的な解決策であり、「急場しのぎになる」と述べた。

ソロス氏はさらに、ドイツは最大の債権国として「運転席にいる」 と表現。「好むと好まざるとにかかわらず、ドイツの政策がこの危機の 行く末をほぼ決定する」と強調した。

原題:Soros Says Germany Risks Recession by Enforcing Euro Austerity(抜粋)

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