NY外為:ユーロ反落、欧州危機めぐる懸念が再燃

ニューヨーク外国為替市場では、ユ ーロが対ドルで4営業日ぶりに下落。域内の債務危機が収束に向かうと の観測に対する投資家の懐疑的な見方が強まった。

ユーロは主要16通貨の大半に対して値を下げた。ギリシャ連立政権 が115億ユーロ(約1兆1500億円)の歳出削減で合意に達しなかったこ とが嫌気された。12日にはドイツ憲法裁判所が欧州安定化メカニズム (ESM)の合憲性をめぐる判断を下すほか、オランダで総選挙が実施 される。主要7カ国(G7)通貨の3カ月物オプションのインプライド ボラティリティ(IV、予想変動率)は5年ぶり低水準に近づいた。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブリ アコフ氏(ニューヨーク在勤)は「ユーロは先週終盤にかなり上昇し た」と指摘。「今週はまだ大きなイベントリスクを控えており、市場で は当然ながら警戒が高まっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロはドルに対して前週末 比0.5%安の1ユーロ=1.2758ドル。先週は5月22日以来の高値に上昇 した。この日は円に対して0.4%安の1ユーロ=99円88銭。ドルは対円 で0.1%高の1ドル=78円29銭となっている。

ドルに対するユーロの相対力指数(RSI、期間14日)は70を割り 込んだ。先週7日には2011年5月以来初めて70を上回っていた。同指数 が70を上回ると、短期間に過度に急上昇したことを示唆し、相場の反転 が近いといわれる。

ボラティリティ低下

FXプロ・ファイナンシャル・サービシズ(ロンドン)のチーフス トラテジスト、マイケル・ダークス氏によると、ユーロは1ユーロ =1.2838ドルの200日移動平均へ向けて上昇する可能性がある。ブルー ムバーグのデータによると、ユーロが同平均を超えたのは過去1年間で 3日間だけだった。

先進10カ国通貨を対象とするブルームバーグ相関加重通貨指数でユ ーロは年初来3.4%低下と、円に次ぐ大幅安。円は3.6%、ドルも1.7% それぞれ低下した。

JPモルガン・チェースの指数によると、G7通貨の3カ月物オプ ションのIV(インプライドボラティリティ)は7.87%と、2007年10 月18日以来の低水準を付けた。IVが低下すると、相場の変動で投資利 益が失われるリスクは小さくなるため、政策金利の高い国の通貨への投 資妙味が一段と増す。

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると、過去1カ月で最も下げ たのはオーストラリア・ドル。オーストラリアは先進国で最も金利が高 く、投資家が強気のときは同国通貨は上がる傾向がある。

欧州先行き不安

バンク・オブ・アメリカ(BOA)のG10通貨戦略責任者、アタナ シオス・バンバキディス氏(ロンドン在勤)はブルームバーグテレビジ ョンとのインタビューで、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で 追加の量的緩和(QE)が発表されれば、ユーロ相場は1.30ドルまで上 昇する可能性があると予想した。

同氏は「ユーロはリスク志向の需要に支えられていた」とし、 「QEが発表されたり、あるいはその幾分かが織り込まれれば、一段高 になるかもしれない」と述べた。

ギリシャ連立政権の一角、民主左派のクベリス党首は、歳出削減パ ッケージに関してまだ何も決定は下されていないと述べた上で、貧困層 を一段の緊縮財政から守る必要があると指摘した。連立3党党首は、12 日に再び協議することで一致。その2日後の14日にはユーロ圏財務相会 合が開かれ、ギリシャの進展状況が報告されることになっている。

ドイツの連邦憲法裁判所は12日、ユーロ圏の恒久的救済基金である ESMへの同国の参画をめぐり、合憲性をめぐる判断を下す。基金は参 加国に対する5000億ユーロ(約50兆円)相当の融資能力を持ち、政府債 購入を通じた借り入れコスト抑制を行うこともできる。欧州連合 (EU)の欧州委員会の発表資料によると、ドイツは基金の27%を拠出 する最大の貢献国となっている。

原題:Euro Weakens From Three-Month High as Debt-Crisis Optimism Wanes(抜粋)

--取材協力:Masaki Kondo、David Goodman、Allison Bennett.

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