日本航空は10日、株式の公開価格 を3790円に決定したと発表した。金融機関以外で国内最大の破綻企業と なった日航が上場廃止後、2年7カ月で国内の航空業界最大の時価総額 を持つ会社として再生する。

同社が8月30日に示した仮条件は1株当り3500円-3790円としてお り、このうちの上限価格となった。売り出し株数は、国内外合計で1 億7500万株。同社はブックビルディングの結果、株式に対する需要の申 告状況は、売り出し株数を十分に上回り、そのうち相当数が仮条件の上 限価格だったとしている。

日航は、19日に東京証券取引所に新規上場する予定。東証は10日、 日航株を東証1部に指定したと発表した。国内の売り出し株式への申し 込み期間は11日から14日まで。

破たんの際、企業再生支援機構は3500億円を日航に出資していた が、今回の価格決定により、6000億円超の資金を調達することができ る。資金は、国庫に納めることで半官半民ファンドとして企業再生を成 功させることになる。

公開価格を基にした試算では、日航の時価総額は6873億円。全日本 空輸の6330億円、業界3位のスカイマークの373億円(10日終値ベー ス)を大きく上回る。

需給の見方

楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストは、 全日空を上回る時価総額の「復活劇」を評価した上で、個人投資家の人 気をその背景として挙げた。一方で、格安航空会社などが世界的にも台 頭していることなどから「日航がどう今後成長するのかストーリーはい まだ見えていない」と指摘した。

今後のポイントについて「もし株価が下がるようだと個人投資家が 保有する株の換金売りで、買われた日航株がしこってしまうことになり 相場全体へのマイナスの影響も出てくることが懸念される」と述べた。

フィスコの小川佳紀株式アナリストは、「上限での決定はほぼ想定 通りの結果だ」と述べ、「やはり個人投資家の人気が高かったのが決め 手ではないか」との見方を示した。日航上場に伴う市場への影響につい ては「いわゆる換金売りが出て需給が悪くなるのではないかとの見方も あるが、8月3日の上場アナウンスですでに織り込まれており、市場全 体への影響はそう心配するほどではない」と語った。

国土交通省吉田おさむ副大臣は同日の会見で、日航の公開価格が 正式に決まったことに対し「再生に一区切りがついてきた」とコメン ト。企業再生支援機構の今後の活用については「ケースバイケースで適 宜適切に対応する」としながらも、日航は「企業再生の在り方としては ひとつの事例として大きく残る」と述べた。

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