ユーロは5月以来の高値付近から反落、ギリシャ首相が会議

東京外国為替市場では、ユーロは対 ドルで5月以来の高値付近から反落した。国際支援を受け取る条件であ る歳出削減に関して、連立パートナーの同意を取り付けることができな かったギリシャのサマラス首相とトロイカ代表団の会談を控え、ユーロ 売りが優勢となった。

週明けの東京市場でユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.28ドル台で始 まったが、徐々にユーロ売り・ドル買い圧力が優勢となり、午後に は1.2776ドルまで値を切り下げた。午後4時30分現在は1.2797ドルで推 移している。前週末には1.26ドル前半から一時1.2817ドルと5月22日以 来の水準までユーロ高・ドル安が進行した。

ユーロ・円相場は先週末に一時1ユーロ=100円43銭と約2カ月ぶ りの水準までユーロ高・円安が進んだが、その後はユーロが伸び悩む展 開となっており、週明けの取引では99円97銭までユーロが軟化する場面 も見られた。

ギリシャのサマラス首相は週末、ユーロ圏残留に必要な国際支援を 受け取る条件とされた115億ユーロ(約1兆1500億円)の歳出削減に関 して、連立パートナーの同意を取り付けることができなかった。サマラ ス首相は、欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会と欧州中央銀 行(ECB)、国際通貨基金(IMF)のいわゆるトロイカ代表団と現 地時間10日午前11時45分(日本時間同日午後5時45分)に会談する。

みずほ証の鈴木氏は、ECBのドラギ総裁が先週、債券購入計画を 発表したことで、「ボールは政治サイドに渡った」と指摘。今週は週後 半に開かれる財務相会合などで「欧州安定に向け足並みをそろえること ができるかが注目になる」ほか、ドイツの連邦憲法裁判のESM(欧州 安定化メカニズム)の合憲性に対する判断に向けては「一定の警戒感も 出てくる」と語った。

独憲法裁は12日に、ユーロ圏の恒久的救済基金であるESMの発足 を認めるどうかの判断を下す。また、12日にはオランダの総選挙も実施 され、欧州当局の権限拡大に異議を唱える政党を支持するかどうか有権 者の判断が示される。14日にはユーロ圏財務相会合がキプロスで開催さ れ、次の対策が検討される。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券クレジット市場部外貨商品課 長の塩入稔氏は、「まだそれなりにショートポジション(売り持ち)が あると思えば、ユーロはそうしたポジションの圧縮でもうひと伸びぐら いはできるかもしれない」としながらも、ECBの債券購入や米QE3 (量的緩和第3弾)の織り込み具合は「かなり100%に近いところまで きている」と指摘。「このネタでさらにどんどんドル売りをしていくの は難しい」と語った。

ドル相場

ドル・円相場は午後4時31分現在、1ドル=78円29銭前後。前週末 には約2週間ぶりとなる79円台に乗せる場面もあったが、米雇用統計発 表後には78円02銭と8月1日以来の水準までドル安が進み、週明けの東 京市場では78円前半でもみ合う展開となった。

塩入氏は、ドル・円相場について「円を買う理由自体もないし、ポ ジションですごい円売りを持っている人がたくさんいるわけでもないの で、いわゆるロスカット(損失を限定するための円買い)もない。そう 思うと上も下もないという感じになってしまう」と指摘した。

米労働省が7日発表した8月の雇用統計では、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)が前月比9万6000人増と、ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値13万人増を下回っ た。家計調査に基づく失業率は8.1%と、前月の8.3%から低下。厳しい 就職難を背景に職探しをあきらめた失業者が労働市場から退出したこと が影響した。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、ブルームバ ーグラジオとのインタビューで、米連邦公開市場委員会(FOMC) が12、13日の定例会合後、市場に対して「強い示唆」を与える、もしく は「前向きな行動」を取るであろうと予想した。また、政策金利をゼロ 近辺に維持する方針を2015年に延長する公算が大きいと指摘。米国債や 住宅ローン関連証券の買い入れを再開する可能性も高いと述べた。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、これでQE3が確定 したわけではないが期待は高く、「外国為替市場は、やるかやらないか のリスクをため込みながらもドル売り方向にバイアスがかかりやすい雰 囲気になっている」と指摘。足元のユーロ・ドルの反落については「先 週末に200ティック近く動いたので、調整の動き」と説明した。

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