債券は反発、雇用鈍化受けた米債高で買い優勢-先物は限月交代

債券相場は反発。8月の米国雇用者 数の伸びの鈍化を受け、前週末の米債相場が上昇した流れを引き継いで 買いが優勢となった。先物市場では中心限月が12月物に移行した。

BNPパリバ証券の藤木智久グローバルマーケットストラテジスト は「追加緩和を織り込んで、先週末の米国債相場が上昇したことを受け て買いが優勢だった。最近の米経済指標は強かったため、米国債が売ら れるリスクが懸念されていたが、そうならなかったので、安心感が出て いる」と話した。

東京先物市場では、9月物はこの日が最終売買日となり、中心限月 は期先限月の12月物に移行。12月物は前週末比16銭高の143円89銭で始 まった後、いったん11銭高の143円84銭に伸び悩んだ。その後は再び買 いが優勢となり、一時は143円93銭まで上昇。結局は19銭高の143円92銭 で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の325回債利回りは 前週末比1.5ベーシスポイント(bp)低い0.80%で始まった後、いったん は0.805%を付けた。午後に入ると再び買いが優勢となって、再 び0.80%で推移している。

5年物の105回債利回りは1.5bp低い0.195%と3営業日ぶりに0.2% 台を下回った。20年物の139回債利回りは1.5bp低い1.645%に低下。30 年物37回債利回りは一時2.5bp低い1.88%まで下げた。

7日の米国債相場は4日ぶりに反発した。8月の雇用統計で、非農 業部門雇用者数は前月比9万6000人増と、前月の14万1000人増から伸び が鈍化した。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミストの予 想中央値は13万人増だった。このため、FOMCが早ければ12、13日の 会合で資産購入拡大を決定するとの観測が広がった。米10年債利回りは 前日比1bp低下の1.67%程度。

JPモルガン・チェースのマイケル・フェロリ氏は、FOMCにつ いて、金融政策 指針の2015年半ばまでの延長と量的緩和第3弾(QE 3)を予想している。資産買い入れの規模は3000億ドル、来年1月まで を見込んでいる。

一方、BNPパリバの藤木氏は、「QE3が実施されれば、株価の 下支え要因となる可能性がある。過去の量的緩和では、株高、インフレ 懸念、ドル安への影響がみられた。株価が上昇すれば、国債利回りが上 昇する可能性も否定できない」と語った。

あす5年債入札、利率据え置きか

財務省はあす11日、5年国債入札を実施する。前週末の入札前取引 では0.225%程度で推移した。このため、表面利率(クーポン)は前回 債と同じ0.2%となる見込み。発行額は2兆5000億円程度。

新発5年債利回りは、8月3日に9年ぶり低水準の0.165%まで下 げたが、その後は水準を切り上げ、8月半ばには0.24%と5月以来の高 水準を付けた。足元では0.2%付近での推移となっている。三菱UFJ モルガン・スタンレー証券の六車治美シニア債券ストラテジストは、 「クーポン水準は新味に欠ける一方で、6月債以来の新発債発行になる 点は入札にプラス」と分析した。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、今回の5年債入札 について、「銀行勢の資金余剰感は変わらず、問題なく消化されるだろ う」と予想する。

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