首相:代表選で1年以内のデフレ脱却を公約-谷垣氏は総裁選断念

民主党代選が10日告示され、再選を 目指す野田佳彦首相ら4人が立候補した。野田首相は代表選の公約にあ たる文書「政見」に「1年以内のデフレ脱却、2年以内の競争力回復」 を目指し、「デフレ脱却・経済再生緊急プラン(仮称)」を策定・実行す ることを盛り込んだ。一方、自民党の谷垣禎一総裁は同日、14日に告示 される同党総裁選への立候補を断念した。

代表選には、野田首相に加え、原口一博元総務相、赤松広隆元農水 相、鹿野道彦前農水相が立候補した。原口、赤松両氏は鳩山由紀夫政権 の閣僚で初めての立候補。鹿野氏は昨年の代表選にも出馬したが、野田 首相に敗れている。代表選では消費税増税法を成立させ、党を分裂させ る結果となった首相の政権運営の是非などが争点となる。

野田首相は党本部に提出した政見で、2014年4月からの消費税率の 引き上げまでの経済財政運営について「機動的な財政出動を含む『切れ 目ない経済対策』や『攻めの税制改革』を柱に、経済好転を確実にす る」と明言。具体策として自動車諸税の簡素化、エコハウス減税や円高 メリットを活用した海外M&A支援などを挙げた。税制改革では所得再 配分機能の回復を打ち出し、所得税の累進課税率の見直しなどに取り組 む考えを示した。

原発ゼロ

エネルギー政策に関しては「原発稼働ゼロを可能とするよう、あら ゆる政策資源を投入する」として、原発の新増設を行わないことや、40 年運転制限の厳格適用、近く発足させる原子力規制委員会の安全確認を 得たもののみ再稼働する方針も掲げた。

主権に関する問題については「離党を含む領土・領海の防衛に不退 転の決意で臨む」と主張。尖閣諸島の国有化、領海警備体制を「オール ジャパン」で強化する考えも示した。竹島問題については国際司法裁判 所に提訴し、「法と正義」に基づき、冷静かつ平和的解決を目指す、と のこれまでの対応を堅持する。党内に慎重論が根強くある環太平洋経済 連携協定(TPP)に関しては「国益の確保」を大前提に、日中韓自由 貿易協定(FTA)などと「同時並行して推進」することを明記した。

TPP交渉に関しては、赤松、鹿野両氏は慎重対応を求め、原口氏 は「参加をしない」と明記した。

共同会見

4氏は午後、都内のホテルで共同記者会見を実施。野田首相は「党 の再生を図り、引き続き日本再生に向けて取り組みを強化するために中 途半端に政権を投げ出すわけにはいかない」との決意を示した。

これに対し、赤松氏は民主党からの離党者が相次いでいることにつ いて「党内民主主義が確立されていないなどいろんな問題があった」と 指摘。原口氏は「分裂に分裂を重ねて責任の所在があいまいでは前へ進 めない」と語った。鹿野氏は「政権党がまとまらないことでは国民への 責任を果たせない」と党内の結束を求めた。

代表選は21日の臨時党大会で国会議員投票を行い、事前に郵便投票 した地方議員、党員・サポーター票と合わせて開票し、新代表を選出す る。

一方、自民党の谷垣総裁は10日午前、党本部で記者会見し、総裁選 への立候補を断念する考えを明らかにした。たくさんの立候補者が出て 同党の路線が分かりづらくなることに懸念を表明。その上で「特に執行 部から二人出るのはよくない」と述べ、石原伸晃幹事長との一本化への 調整が不調に終わったことを立候補取りやめの理由として挙げた。

石破茂前政調会長は国会内で記者会見し、総裁選への出馬を正式表 明。公約には集団的自衛権の行使容認や、憲法改正などを盛り込んだ。 経済政策では「立法化も含め、政府の財政政策と日銀の金融政策との連 携の強化」を明記した。

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