サッポロ社長:食品分野に投資、多角化促進-年300-400億円投入

国内ビール4位のサッポロホールデ ィングスは、国内の食品、飲料事業にM&A(企業の合併、買収)を含 めて積極的に投資していく。海外ではビールと飲料事業に投資の重点を 置く。国内ビール市場が縮小する中、収益源の多角化を進めるため、今 後5年程度、年300-400億円の資金を投入する方針だ。

上條努社長が6日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで述 べた。同社長は、買収した「ポッカコーポレーションが国内の食品に入 ってきてくれることもあって早く厚みをもたせていきたい」と語った。 その上で、今後、食品・飲料事業が同社の主要事業として表面に出てく るとして、食品や飲料分野への投資に意欲を示した。

また海外の展開については、「北米、東南アジアでビールと飲料が 頭にある」と述べ、人口や経済が伸びている上、同社が事業基盤のある 両地域での投資を優先する考えを示した。

収益の柱である国内酒類事業の売上高は、決算短信の区分でさかの ぼれる2006年度を起点として11年度まで5年連続で減少。11年度は2682 億円と、06年度に比べ16%減だった。このため、これまで手薄だった国 内の食品・飲料事業を強化し、酒類、不動産に次ぐ3本目の柱に育てる 考えだ。

11年度には飲料と食品事業を展開しているポッカを買収。それま で、ほとんど手掛けていなかった食品事業は一気に拡大した。食品・飲 料事業の12年度の売上高は、1281億円の見通し。買収前の10年度の同事 業は339億円だった。

食品・飲料の割合を3割に

13年1月にポッカとサッポロ飲料を統合し、シナジー効果を高める ほか、積極的な投資を進めることで16年度には食品・飲料事業の売上高 を11年度比約6割増の1700億円まで伸ばすという。同社は、売上全体に 占める割合を現状の24%から約30%まで引き上げる考えだ。

海外展開も加速化させる。1月には、米国の飲料会社シルバー・ス プリングス・シトラス社の株式51%を取得、酒類に加え米国での飲料事 業にも参入した。北米では06年にカナダのビール会社スリーマンビール を買収している。このほか、東南アジア地域初の同社工場となるベトナ ムのビール工場を11年に竣工。同地域での事業基盤を築いてきたが、さ らに投資先を模索する。

サッポロは12年度から16年度までの5年間で1500億-2000億円を戦 略投資に注ぎ込む計画。12年度は、複合施設「恵比寿ガーデンプレイ ス」の持分15%を約400億円で米金融大手のモルガン・スタンレーから 買い取ったため600億円超になる見通しだが、今後は年300-400億円の 投資を続けていく。

ヨーグルト、乳業に関心

上條社長はまた、国内の投資先について、ヨーグルトや乳業などの 会社に関心があると述べた。サッポロは自社でも乳酸菌の研究を進めて おり、これまで睡眠障害や下痢への改善効果などの研究成果を発表して いる。上條社長は、こういった研究成果も有効活用し、食品事業を強化 していく考えを示した。

乳業関連では、同社は10年に乳業大手の協同乳業と業務提携を発表 しているほか、09年にはヨーグルトなどを手掛ける安曇野食品工房にも 出資している。

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