中国8月の工業生産、伸びが鈍化-インフレ加速で当局に難題

中国の工業生産は8月、この3年で 最も低い伸びとなった。一方でインフレは8月に加速し、景気減速の流 れを反転させるための温家宝首相の任務は難しくなってきた。中国の国 内総生産(GDP)の伸びは7四半期連続で鈍化する可能性がある。

国家統計局が9日発表した8月の工業生産は前年同月比8.9%の増 加で、2009年5月以来の低い伸びとなった。ブルームバーグがエコノミ スト35人を対象にまとめた調査の予想中央値では9%増と見込まれてい た。7月は同9.2%増だった。同日先に発表された経済指標では、消費 者物価指数(CPI)の伸びが8月に、5カ月ぶりに加速したことが示 されている。

インフレの加速は同国政府の成長支援策の余地を狭める可能性があ る。胡錦濤国家主席は8日、中国の「経済成長は著しい下押し圧力」に 直面しているとの認識を示した。

コンサルティング会社、アジア・セントリー・アドバイザリー(シ ドニー)のチーフエコノミスト、グレン・マグワイヤ氏は「物価と経済 活動のトレンドの不一致は、中国が政策対応を進める上で極めて大きな 難問となるだろう」と語った。

胡主席はロシアのウラジオストクで開かれているアジア太平洋経済 協力会議(APEC)の企業経営者の会合で、中国は「安定した力強い 成長、経済構造の調整、インフレ期待の管理」を調和させるために力を 尽くす考えをあらためて示した。

固定資産投資、小売売上高

国家統計局の発表によると、1-8月の都市部固定資産投資は前年 同期比20.2%増と、伸びのペースは1-7月期とほぼ変わらなかった。 8月の小売売上高は前年同月比13.2%増と、エコノミスト予想の中央値 と一致した。

野村ホールディングスの中国担当チーフエコノミスト、張智威氏 (香港在勤)はこの日の統計について、土地購入や住宅着工など一部の 先行指標は不動産やインフラ投資が今後数カ月のうちに改善することを 示していると述べ、「これらは景気の勢いが近く上向くことを示唆して いる」との見方を示した。

国家統計局が同日先に発表した8月の消費者物価指数(CPI)は 前年同月比2%上昇となり、7月の1.8%上昇から伸びが加速した。

UBSとINGは7日、今年の中国の成長率見通しを7.5%に引き 下げた。INGのアジア調査担当責任者、ティム・コンドン氏(シンガ ポール在勤)は9日の統計発表前に「積極的な刺激策が講じられないた めに、われわれは中国経済のソフトランディング予想をハードランディ ング予想に変更することになった」と指摘。「中国当局は08年に実施し た刺激策の予期せぬ結果に強い警戒を抱いており、その再現は回避した いと考えている」と述べた。

--取材協力:Ailing Tan、Regina Tan、John Liu、Michael Forsythe.

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