イエレンFRB副議長、市場との対話推進-次期議長の呼び声

米国の金融政策を決める連邦公開市 場委員会(FOMC)が会合直後に政策金利の変更に関する声明を初め て発表したのは1994年2月。ジャネット・イエレン氏(66)が米連邦準 備制度理事会(FRB)理事に指名されるわずか6カ月前のことだっ た。ブルームバーグ・マーケッツ誌10月号が特集した「最も影響力のあ る50人・2012年版」の中で、同氏は透明性と市場との対話手段向上を推 進してきたと評された。

米金融当局は様変わりした。現在は全ての政策行動ばかりか、行動 しない場合でも経緯を説明。将来の見通しを示し、次の一手にも言及し ている。2014年まで政策金利をゼロ近辺で維持する姿勢を表明している ことは、市場との対話と政策行動がいかに融合しているかを示してい る。

過去2年間はFRB副議長として、イエレン氏は対話手段の改革に おいて、19人から成る連邦公開市場委員会(FOMC)の異なる意見を まとめてきた。

同氏が委員長を務める、市場との対話に関する小委員会の提案によ り、バーナンキFRB議長による四半期に1度の記者会見も軌道に乗っ てきた。また、各FOMCメンバーの金利見通しも公表されるようにな った。さらに、同小委員会の働きにより、1月にFOMCは2%のイン フレ率が長期的な責務と「最も合致」すると表明。また長期的な最大限 の雇用水準と一致する失業率の水準として5.2-6%を提示した。

「思ってもみなかった」

イエレン副議長は「FRB理事に就任した1994年当時、これが主な 仕事になるとは思ってもみなかった」と振り返る。同氏は97年まで理事 を務めた後、99年8月まで大統領経済諮問員会(CEA)委員長として クリントン2期政権を支えた。その後、いったん学会に戻り、2004年か ら10年までサンフランシスコ連銀総裁を務めた。

FRB副議長を約2年間務めてきたイエレン氏の今後はどうなるの だろうか。14年1月に2期目の任期を終えるバーナンキ議長の後任とな る可能性もある。ケイトー研究所で金融規制研究ディレクターを務める マーク・カラブリア氏は「オバマ大統領が再選を果たした後、バーナン キ議長が任期通り退任すれば、イエレン氏は議長の最有力候補だ」と話 す。

FRB副議長を務めたことのあるプリンストン大学のアラン・ブラ インダー教授は、イエレン氏が透明性向上に努めた結果、金融当局の実 体経済に働きかける力は強化されたと評価する。同教授は「市場との対 話という点でFOMCはかつて遅れていた。1990年代初頭が中世の終わ りに当たり、啓蒙(けいもう)は始まったばかりだった」と語る。

ブラインダー教授はさらに、イエレン氏率いる小委員会のおかけ で、特に最近2年間は変革が実を結んでいると指摘。「この最近の努力 により、FOMCは透明性という点では先頭に立っている」と評価して いる。

イエレン氏は経済成長を重視するハト派とみなされ、過去2回の量 的緩和を支持してきた。ただ、副議長としては、より強力な緩和を推進 するハト派の急進メンバーに組してきたわけではない。政策決定で反対 票を投じたこともない。

ケイトー研究所のカラブリア氏はイエレン氏がタカ派とハト派の争 いを避け、次期議長の有力候補にとどまっていると指摘。「イエレン氏 の連邦準備制度での経験と専門知識をもってすれば、たとえ共和党が上 院を支配していても、他のハト派的な候補よりもはるかに承認される可 能性が高い」と話していた。

原題:Yellen Getting Fed Hawks to Work With Doves Signals Potential(抜粋)

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