米国債:反発、追加緩和観測で-雇用が予想以上に鈍化

7日の米国債相場は4日ぶりに反発 した。8月の米雇用者数の伸びが予想以上に鈍化したことを受け、連邦 公開市場委員会(FOMC)が早ければ来週の会合で資産購入拡大を決 定するとの観測が広がった。

5年債と7年債の上げが目立った。米当局が量的緩和(QE)を通 して同年限付近の住宅ローン関連証券の買い入れを増やす公算が大き く、モーゲージ債投資家が国債でヘッジをかけるとの見方が強まった。 8月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比9万6000人増 と、前月の14万1000人増(修正値)から伸びが鈍化した。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、失業率が 「深刻な懸念材料」となっているとし、当局は追加の措置を講じる用意 があると発言。2014年終わり頃まで借り入れコストの抑制を維持する方 針もあらためて強調した。

BNPパリバ傘下のバンク・オブ・ザ・ウェスト(カリフォルニア 州)の債券トレーディング責任者、ポール・モンタキラ氏は、「この日 の統計はFOMCやバーナンキ議長にとり、新たなQEを実施し低金利 政策を2015年まで延長すると表明するのに必要な根拠となるだろう」と 指摘。「QEと低金利延長は間違いなく、9月の会合で議論される。今 回の雇用統計は暗い内容だ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.67%。雇用統計発表前に一時は1.74%と、8月22 日以来の高水準を付ける場面も見られた。同年債(表面利 率1.625%、2022年償還)価格は3/32上昇して99 19/32。

インフレ率を警戒

5年債利回りは3bp低下して0.64%。7年債利回りは3bp下げ て1.09%となっている。

30年債利回りは3bp上昇の2.83%。一時は最大7bp低下 し2.73%を付けていた。当局がQE3に踏み切ればインフレ上昇率を加 速させる恐れがあり、償還期限が長い国債は短・中期債よりインフレの 影響を受けやすいとの思惑から、この日は長期債が売られた。

FOMCは来週12-13日に定例会合を開催する。当局は2008年か ら11年にかけて2度の量的緩和を実施し、合計2兆3000億ドル相当の住 宅ローン関連証券や国債を買い入れた。また2008年12月以降、政策金利 を0-0.25%に据え置いている。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は「QEは来週、決定される」とし、「当局は住宅ロ ーン関連証券を購入するか、もしくは購入に関する何らかのプログラム を発表するだろう。5年債と7年債の買い手が多い。住宅ローン関連証 券の平均償還期限がその辺りに落ち着くからだ」と解説した。

ファニーメイ

住宅ローン金利の目安となる米住宅公社ファニーメイ(連邦住宅抵 当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の住宅ローン担保 証券(MBS)の利回りは5年ぶり低水準を付けた。ファニーメイ保証 のMBSと米国債の利回り格差を示すブルームバーグの指数は約6bp 下げて114bpと、2007年以来の最小となった。

トレーダーの間ではインフレ率が上昇するとの観測が強まってい る。償還までの消費者物価の予測値を示す10年債と同年限のインフレ連 動債(TIPS)との利回り格差は、過去5カ月で最大となる2.37ポイ ントに拡大した。年初来の平均は2.19ポイント。

米国債は前日に下落していた。欧州中央銀行(ECB)が域内の債 務危機収束を目指し政府債の購入計画を発表したことを受け、資金の逃 避先としての需要が弱まった。ドラギECB総裁は、ユーロ圏内の金利 を制御するため、無制限の国債購入プログラムを発表した。

この日発表の米家計調査に基づく失業率は8.1%と前月から低下し たものの、43カ月連続で8%台で高止まりしている。ブルームバーグが まとめたアナリスト予想では、雇用者増加数は前月速報値の16万3000人 増から13万人増となることが予想されていた。失業率の予想は8.3%だ った。

原題:Treasury Five-, Seven-Year Notes Lead Gains Amid Fed Speculation(抜粋)

--取材協力:Susanne Walker.

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