NY外為:ドルが下落、米雇用の伸び減速で緩和観測強まる

ニューヨーク外国為替市場ではドル が下落。対ユーロでは3カ月ぶりの安値となった。8月の米雇用者数の 伸びが市場予想を下回ったことから、連邦公開市場委員会(FOMC) による追加緩和の観測が強まった。

主要6通貨に対するドル指数は5月11日以来の低水準。FOMCが 量的緩和第3弾(QE3)に踏み切れば、過剰流動性でドルの価値が劣 化するとの見方が背景にある。カナダ・ドルは米ドルに対して1年ぶり の高値。カナダの雇用者数は市場予想を上回る結果となり、利上げ観測 が高まった。スイス・フランは対ユーロで1月以来の安値となった。

マッコーリー・キャピタル・マーケッツのストラテジスト、デービ ッド・ドイル氏(トロント在勤)は、「市場ではQEの9月実施、12月 実施、あるいはまったくやらないという3つの見方におおむね分かれて いる」と指摘。「9月実施派がますます増えており、それが相場に織り 込まれつつある」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで前日比1.5%安 の1ユーロ=1.2816ドルと、5月22日以来の安値をつけた。ドルは対円 で0.8%安の1ドル=78円24銭。ユーロは対円で0.7%高の1ユーロ =100円25銭。

ユーロは買われ過ぎ示唆

ウェルズ・ファーゴの主任為替ストラテジスト、ニック・ベネンブ ローク氏(ニューヨーク在勤)は「市場はこうした雇用の数字に反応し ており、バーナンキ議長が労働市場の進展状況に懸念かつ苛立ちを示し ていたため、それを考慮に入れている」と指摘。「9月実施はまだあり 得るし、9月でなければ10月や12月の可能性が高まる」と述べた。

ドル指数は1.1%低下の80.172。同指数は200日移動平均を割り込ん でおり、調査・コンサルティング会社アイデアグローバルによれ ば、200週移動平均である79.861まで下げる可能性がある。

ドルに対するユーロの相対力指数(RSI、14日間ベース)はこの 日、昨年5月以降で初めて70を上回った。同指数が70を上回ると、買わ れ過ぎを示唆する。

米労働省が発表した8月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比9万6000人増。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は13万人増だった。 前月は14万1000人増と速報値の16万3000人から下方修正された。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は8月31日、成長 を促進し失業を減少させるためには債券の追加購入の可能性を排除しな い考えを示していた。

カナダ・ドルは高い

カナダ・ドルは対米ドルで0.4%高の1米ドル=97.86カナダ・セン ト。カナダ銀行(中央銀行)のカーニー総裁は5日に政策会合で、「現 行の著しい金融緩和策からの一部引き揚げが適切になる可能性がある」 と指摘していた。

スイス・フランは対ユーロで5日続落し、1ユーロ=1.20981フラ ンと1月9日以来の安値。スイス国立銀行(中央銀行)はフラン高に歯 止めをかけるため、昨年9月に対ユーロ相場1ユーロ=1.20フランの上 限を設定した。

原題:Dollar Falls to 3-Month Low as Jobs Data Lift Fed Stimulus Odds(抜粋)

--取材協力:Madeleine Lim、Katia Dmitrieva.

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