日本政府:予算執行抑制を閣議決定、戦後初-特例公債法不成立で

政府は7日午前の閣議で、赤字国債 発行の裏付けとなる特例公債法案の不成立を受け、戦後初となる今年度 予算の執行抑制を閣議決定した。9月からの3カ月間で地方交付税など 計5兆円程度の支出先送りを想定している。同法案の成立が見込めなけ れば11月末で財源が枯渇する見通しで、追加措置が必要となる。安住淳 財務相が閣議後会見で明らかにした。

財務相は異例の事態に「国民生活を政局の対立軸にするのは好まし くない。誠に遺憾だ」と強調。進展が見られなければ10月に追加的な執 行抑制を検討する必要性を指摘した上で、「国民生活や経済活動にかな りの影響が生じかねない。特例公債法案の成立を速やかに実現してほし い」と与野党に理解を求めた。

9月4日の交付が延期された地方交付税4兆1000億円のうち道府県 分2兆1000億円を11月までの月割りとし、9月の支払い1兆4000億円を 抑制。市町村分の1兆9000億円は全額支払われる。総務省は同日、10日 に交付すると発表した。11月交付予定の道府県分も12月以降の月割りで の支払いを想定している。

このほか、庁費や旅費などの行政経費を毎月、半分以下に抑えると ともに、独立行政法人や国立大学法人の運営費の支払いも半分以上を 留保。政府は政務三役の海外出張も抑制する。私学助成も国立大学と同 様に対応し、民間団体向けの補助金も支払いを延期する。一般会計から 特別会計への繰り入れ時期も延期する方針で、11月予定の年金特別会計 への繰り入れ1兆1000億円も先送りとする。

必要あれば金融機関から

財務相は地方自治体の資金繰りが困難に陥った場合の対応策につい ては「必要あれば取引先の金融機関から借りていただくしかない。財政 的に手当てをするにも法案が成立しない限りない袖は振れない。財政投 融資などの活用が検討される可能性はあるが、まずは地方に負担をお願 いしたい」と強調。自治体が金融機関から融資を受けた場合の利子負担 への対応も決まっていないという。

一方、医療・介護・生活保護などの地方自治体向け負担金、庁舎借 料 など行政活動の維持に不可欠な経費や警察や防衛の活動経費、災害 関係経費などは抑制対象から除く。建設国債の対象となる公共事業や特 定財源の対象経費も除く。国債整理基金特別会計からの国債の元利払い についても支障ないよう対応する。

今年度予算(総額90兆3000億円)のうち税収や税外収入は46兆1000 億円。財政法第4条に基づき発行できる建設国債5兆9000億円と合わせ て52兆円の財源は確保できるが、歳入の4割強を占める赤字国債38 兆3000億円の発行は凍結されている。財務相は財務省証券の発行による 補てんについては一時的な資金繰りの手段で歳出の財源ではないとし、 「検討していない」と重ねて否定した。

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