ドラギ氏新戦略、「政治同盟」妥協反映か-分裂リスク歯止めも

欧州連合(EU)が危機対応を話し 合う19回目の首脳会議が終わりに近づいていたころ、欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁は、衝撃に耐え得るユーロ圏を目指す工程表を 示したことに謝意を表すため、ファンロンパイEU大統領(首脳会議常 任議長)と2人きりの時間を持ちたいと異例の要請を行った。

6月のブリュッセルでの首脳会議で概略が示されたプランの重要性 が明らかになるのは、後になってからのことだ。銀行監督の強化と国家 予算をめぐる協調、漠然とした「政治同盟」に積極的に取り組むという 約束は、各国政府がユーロの基盤健全化に努めることをドラギ総裁に納 得させ、ECBが国債購入でそれを支援する6日の決定につながった。

ドラギ総裁は新たな戦術の公表に当たって、「われわれは2つの柱 を必要としている。各国政府は政治改革という責任を引き受ける必要が ある。いかなる中央銀行の介入も、各国の政策対応が同時に行われなけ れば実際には効果がない」と説明した。

2年半にわたる試行錯誤と、債権者と債務国、各国政府間の綱引き を経て、ECBは危機管理に再び動き出したが、その戦略には、経済通 貨同盟(EMU)を引き続き苦しめる中途半端な妥協の跡がある。新た な戦術は、スペインやイタリア政府の決定に左右されるため、ECBに よる自由な制御が利かない。ユーロ圏の指導者らは、ユーロを崩壊させ ることはできないという建前にとらわれ、EMUを改革する工程表を策 定する約束を果たせないでいる。

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのジム・オニー ル会長は6日のロンドンでのブルームバーグテレビジョンとのインタビ ューで、欧州の政治指導者とセントラルバンカーが「ある種の中期的な 欧州合衆国で完全に合意した」と述べ、ECBは「ユーロ分裂のリスク について市場は懸念し続けるべきでないとわれわれに語っている」と指 摘した。

原題:Draghi Lured by Fractious EU Leaders to Build Bridge to Euro 2.0(抜粋)

--取材協力:Helene Fouquet、Simon Kennedy.

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