日本株続伸し3月来上昇率、ECB決定や米統計好感-景気敏感主導

東京株式相場は続伸し、主要株価指 数は3月以来の上昇率を記録した。欧州中央銀行(ECB)が無制限 の国債購入プログラムに合意したことや米国経済統計の改善、為替の 安定を受け、景気や企業業績に対する不透明感が和らいだ。輸送用機 器など輸出関連、鉄鋼など景気敏感業種、保険など金融株中心に高い。

TOPIXの終値は前日比16.17ポイント(2.3%)高の735.17、 日経平均株価は191円8銭(2.2%)高の8871円65銭とともにきょう の高値引けで、上昇率は3月27日以来の大きさとなった。

りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは、「ECB は欧州危機を起こさないという強いメッセージを示した」と評価。米 経済に関しては、「緩やかに減速しているが、失速することなく金融緩 和で回復軌道に乗る期待がある」との認識を示した。

ECBのドラギ総裁は6日、政策委員会が無制限の国債購入プロ グラムに合意したことを明らかにした。償還までの期間が1-3年の 国債が対象で、購入後は不胎化措置を実施し、通貨供給量への影響を 完全になくす。国債購入の条件としては、ESMを稼働させる準備が 各国政府に整っていなければならない、などとしている。

「ドイツの反対で、ECBが国債購入を決められないのではない かとの見方があった中、ドラギ総裁が指導力を発揮したことでECB の危機対応に対する信頼感が回復した」と、野村証券の若生寿一シニ アストラテジストは見ていた。

米景気好転時期が前倒しも

また、先週の米国の新規失業保険申請件数が前の週から1万2000 件減少。オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エン プロイヤー・サービシズが発表した8月の米民間部門の雇用者数は前 月比で20万1000人増え、ブルームバーグがまとめた予想中央値(14 万人の増加)を上回った。米供給管理協会(ISM)の8月の非製造 業総合景況指数も53.7と、事前予想の中央値52.5より良かった。

みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長によると、米統計の堅調は「今 晩の米雇用統計への期待感が高まっただけでなく、10-12月とみられ ていた米景気鈍化傾向が一服する時期が思ったより早まったのではな いか、との見方を裏付けた」と言う。

東証1部の業種別33指数では鉄鋼、石油・石炭製品、保険、非鉄 金属、証券・商品先物取引、鉱業、ガラス・土石製品、輸送用機器、 電機が上昇率上位に並び、素材や資源、金融、輸出関連の強さが目立 った。中でも金融は、ECBの決定を受け欧州銀行株の指標であるス トックス600銀行指数が6日の取引で4.4%高と急伸、「欧州問題に対 する対策が出る中で、金融市場の安定を視野に入れている可能性があ る」と、みずほ証の倉持氏は指摘した。

鉄鋼など素材関連に関しては、TOPIXが直近高値を付けてい た8月17日からきのうまで下落率を見ると、鉄鋼や非鉄、ガラスなど が上位に並んでいたため、下げのきつかった業種への見直しが活発化 したことも、きょうの指数押し上げにつながった。

伸び悩む場面も、1兆円は回復

TOPIX、日経平均とも高値引けとなったが、午前終盤、午後 半ばの取引では上値の重さを市場参加者に感じさせる一幕もあった。 日本時間今夜に発表される米雇用統計をはじめ、来週にかけても欧州 安定化メカニズム(ESM)などをめぐる重要日程を控え、これらの 内容を確認したいとの姿勢もなお強かった。

8月の米雇用統計は、ブルームバーグがまとめた非農業部門の雇 用者数は前月比で13万人の増加予想。「10万人程度なら、来週の米連 邦公開市場委員会(FOMC)で何らかの策が予想されるが、10-15 万人程度の場合はFOMCの対応が難しくなりそう」と、野村証の若 生氏は話していた。

この日は、ECBの決定を受けた欧州安定化、欧州向け輸出の好 転期待などから中国上海総合指数が急騰。日本株高を側面支援したが、 りそな銀の戸田氏は直近の日本株がアジア景気減速の影響を受けてい る点に触れ、「業績底入れの材料が出てこないと、株価の底入れも難し い」と慎重な見方を崩していなかった。

東証1部の売買高は概算で19億7060万株、売買代金は1兆866 円と代金の1兆円乗せは8月14日以来、18営業日ぶり。値上がり銘 柄数は1204、値下がりは347。国内新興市場では、ジャスダック指数 が1.9%高の50.54と9日ぶり反発、東証マザーズ指数は0.1%高の

329.83と4日ぶりに小反発した。

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