NY外為:ユーロ、対円で2カ月ぶり高値-ECBが債券購入

ニューヨーク外国為替市場ではユー ロが対円で2カ月ぶりの高値となった。欧州中央銀行(ECB)のドラ ギ総裁が域内高債務国の借り入れコスト抑制に向けた債券購入計画を発 表したことを好感した。

ドルは高利回り通貨に対して下落。7日発表の米雇用統計で雇用者 数の伸びが鈍化するとの見通しから米金融当局が量的緩和第3弾に踏み 切るとの見方が強まっている。ECBが今年の成長見通しを下方修正し たため、ユーロは対ドルで下げる場面もあった。中銀が利下げに踏み切 ったスウェーデンのクローナは軟化した。

野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サ ンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は「ECBが政策を明確にしたこと は、危機を新たに深刻化させるテールリスクの低下に寄与している。つ まり、対ドルのユーロ相場にとって恐らく短期的には最悪期を過ぎたと いうことだ。だが、イベントリスクがまだ多く残っているため、長期的 に下落しないというわけではない」と話した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対円で前日比0.8%高の 1ユーロ=99円60銭。一時は99円81銭と、7月5日以来の高値をつけ た。対ドルでは0.2%上げて1ユーロ=1.2631ドル。円は対ドルで0.6% 安の1ドル=78円86銭。

リスク通貨が上昇

ドルはリスク選好に関連した通貨に対して下落した。8月の雇用者 数の伸びが減速するとの思惑から追加緩和観測が高まっている。量的緩 和第3弾が実施されると、ドルの価値が希薄化する可能性がある。

米ドルに対し、カナダ・ドルは0.8%、豪ドルは0.9%、南アフリ カ・ランドは1.4%それぞれ上昇した。政策金利はカナダが1%、オー ストラリアが3.5%、南アは5%となっている。一方、米国は事実上の ゼロ金利政策をとっている。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は0.2%安の81.103。同指数に占めるユーロの割合は57.6%。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は雇用が伸びてい ないことについて、当局にとって「深刻な懸念事項」であるとの認識を かねて示している。失業率は2009年2月以降、8%を上回っている。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト91人を対象に実施した調 査によると、8月の雇用者数は13万人増が予想されている。7月は16 万3000人増だった。

「12万ー16万人増が適度に良好」

シティグループのG10通貨戦略担当の北米責任者、グレッグ・アン ダーソン氏(ニューヨーク在勤)は「20万人を超える増加なら、9月の 追加緩和は間違いなく消えるだろう」と指摘。「10万人増を下回るよう なら、追加緩和の確率は高まるが、景気が良くないことも示しており、 リスク回避につながるだろう。適度に良好なのは12万人から16万人の増 加で、そうなればリスク選好のシナリオになる」と述べた。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ユーロは年初来で3.7%安と、最もパフォーマンスが悪い。円 は3.6%、ドルは0.9%それぞれ下げている。

ドラギ総裁によると、ECBの国債購入対象は償還までの期間が1 -3年の国債で、既発債で残存期間がこれに当てはまるものも含まれ る。購入後は不胎化措置を実施し、通貨供給量への影響を完全になく す。ECBは購入した債券について優先債権者とはならないという。

ECBはこの日公表した最新の経済予測で、ユーロ圏の2012年成長 率をマイナス0.4%と予想。3カ月前の予測マイナス0.1%から引き下げ た。

ドイツ銀行の為替ストラテジスト、ヘンリック・グルベリ氏(ロン ドン在勤)は「成長見通しを引き下げ、インフレ見通しを上方修正した ことはユーロにとって良くないだろう。ECBの問題解決能力を抑制す るため、ECBをめぐる状況は厳しくなるだろう」と語った。

原題:Euro Reaches 2-Month High Versus Yen as Draghi Sets Bond Buying(抜粋)

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