東レ:炭素繊維の生産能力倍増も、自動車で拡大目指す-専務

東レは鉄より軽くて強い先端素材、 炭素繊維の生産能力増強に乗り出す。米ボーイング社や欧州エアバス新 型旅客機向けに加え今後は自動車を中心に用途開発を進めることで需要 増を取り込む考えだ。

東レは2015年までに生産能力を5割増の2万7100トンに拡大する計 画を持っているが、20年にはさらに倍増を目指す。同社の大西盛行専務 が5日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで明らかにした。 炭素繊維の市場規模は現在年4万トン弱で、東レはトップメーカー。

航空機向けでは、ボーイング社の787ドリームライナーの増産や エアバス社のA350の導入などにより、20年末までに炭素繊維事業の 売り上げを12年3月期比約4倍増の1000億円にすることを目指す。

大西氏は「自動車メーカーがいろいろな素材を検討している中で、 炭素繊維は大きな潜在性がある。技術開発を進めてコスト低減と生産の 迅速化を図っている」と述べた。

787は炭素繊維素材を機体の半分に活用して軽量化、大型機並み の航続距離を持つ。燃費効率が従来機より2割ほど高い。

プラスチック対鉄鋼

炭素繊維は鉄に比べ10倍強く、約75%軽い。ドイツ証券のシニアア ナリスト、渡部貴人氏によると、炭素繊維のコストは1キロ当たり2000 -5000円。4-6月期の新日鉄の鋼材平均価格は1トンで8万円。

東レは3月、15年までに450億円を投入して炭素繊維の生産を2 万7100トンに増やす計画を発表した。韓国に初めての工場を建設するほ か、日本、米国、フランスでも工場・設備の拡充を図る。

同社が8月6日に発表した決算短信によると、13年3月期に炭素繊 維複合材料の売上高を前期比29%増の900億円と見込んでいる。連結売 上高に占める割合は5%増。

原題:Toray May Double Capacity as Daimler, Boeing Favor Lighter Parts(抜粋)

--取材協力:堀江政嗣

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