日産自COO:中国では自動車販売に影響も、日中間の緊張関係で

尖閣諸島の領有権問題をめぐり日中 間の緊張が高まる中、日産自動車の志賀俊之・最高執行責任者(CO O)は、中国での販売などに影響が出ていることを明らかにした。

志賀氏は6日、中国・成都で記者団に対して「野外での販促イベ ントの開催が難しくなっている」と述べ、「影響度合いは定かではない が、影響そのものがあることは事実だ」と語った。中国当局の助言も あり、野外イベントの代わりに小規模な試乗会などを開催していると いう。

日産自は日本メーカーのうち中国での販売が最も多い。8月の現 地販売は前年同月比0.6%増の9.5万台だった。1-8月では前年同 期比10%増の87.1万台。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、既に自動 車市場全体が減速している中、それに拍車をかけることもあり得ると し、この緊張関係が現地生産に影響することもあるとの見方を示した。

トヨタ自動車広報担当の布施直人氏は電話取材に対し、現地での 反日デモの影響は確認していないと述べた。また、ホンダ広報担当の 竹森朋子氏も影響があるとは聞いていないと電話取材に語った。

日本製品は敬遠

中国で企業を経営するリ・ピン氏は、日産自の志賀氏が懸念する 影響を生活の中で実感している。現地では「欧州や米国のブランドは 受け入れられるが、日本ブランドはやはり敬遠する」という。友人ら はみな、日本製品をボイコットしており、品質や価格がどんなに好条 件でも買わないという。

立花証券の平野憲一顧問は「日本製品のファンであっても無理を してこの時期に買うのを迷うのは当然」と述べ、ある程度の影響は必 至だという見方を示した。一方、「今後は中国共産党が過熱しすぎない ようにコントロールしていくことが想定され、影響は一時的と捉えて いる」と指摘した。

日産自の中国合弁パートナーである東風汽車有限公司の朱福寿氏 も、一定の影響はあるとしながらも、「今の中国の消費者は、より冷静 で合理的だ」と述べた。志賀氏は、日中は互いに重要な位置づけにあ ると述べた上で、関係改善に期待を示した。

尖閣諸島をめぐっては、東京都の石原慎太郎知事が4月に米ワシ ントンで講演し、都の予算で買収する計画を表明。8月半ばには香港 の活動家らが尖閣諸島の魚釣島に上陸したことを受け、日本の当局は 出入国管理・難民認定法違反容疑で逮捕した後、強制送還した。

中国での反日運動は、日本の議員団ら10人が8月19日に魚釣島 に上陸したのをきっかけに激しくなった。8月27日には丹羽宇一郎駐 中国大使が乗った公用車が北京市内の路上で走行妨害を受け、公用車 の日本国旗が奪われる事件が発生した。

--取材協力:向井安奈、Tian Ying、Liza Lin、Kong ho Chua

Editor:Hideki Asai、Takeshi Awaji

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