野村:10億ドルの追加削減、欧州で45%-人員整理は最小限に

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野村ホールディングスの10億ドル (約800億円)の追加コスト削減策の詳細が6日明らかになった。欧州 で全体の45%を削減する計画だ。ただグローバルでディールフローや収 益力を維持するため人員整理を伴うコスト削減は最小限に抑える。野村 は同日、ホールセール部門をてこ入れし、アジア関連ビジネスに注力し ていく方針も打ち出した。

野村は中東を含む欧州で4億5000万ドル、米州で2億1000万ドル、 日本を含むアジアで3億4000万ドルを削減する。人員整理はマネジング ディレクターからバックオフィスまでが対象で9月から着手する。不動 産やIT(情報技術)関連の費用を主に減らすことで、人員整理による コスト削減は全体の45%に抑える。

野村の永井浩二最高経営責任者(CEO)らが6日午後、都内で投 資家に説明した。報道機関に映像で公開した。永井氏はホールセール部 門の収益性回復に向け、フィクストインカム、エクイティ、インベスト メントバンキング業務で競争力のある分野へ選択と集中を進める方針を 表明。今回の計画について「生き残るための戦略を最優先した」と強調 した。

関係者によれば、野村はグローバルでフィクストインカム業務を拡 大するため新たに人員を増強する。

野村は2008年にリーマン・ブラザーズのアジアと欧州部門を継承し 4年間を費やしてグローバル業務の拡大を目指してきたが、収益力を強 化することはできなかった。永井CEO(53)はリーマン買収を主導し た渡部賢一氏から8月に業務を引き継ぎ、海外業務の縮小と立て直しに 取り掛かっている。

アジアに注力

吉川淳最高執行責任者(COO)は、海外業務についてアジアを起 点に欧州や米州とのクロスボーダー取引を推進していくと述べ、国際展 開でもアジアとの関連性が高いビジネスに注力してく方針を示した。永 井CEOはリーマン・ブラザーズの事業買収について「この業績では成 功とは言えない」と述べたが、グローバル戦略は継続するという。

11年度の有価証券報告書によれば、野村のコストは欧州が全体の2 割を占めた。米国は12%、日本以外のアジアは3.3%。関係者によれ ば、今回の欧州でのコスト削減は株式セールスとトレーディング、さら に投資銀行部門が中心になるという。

野村の海外拠点は、第1四半期(4-6月)に121億円の税引き前 赤字を計上した。内訳は欧州が164億円、アジアが19億円のそれぞれ赤 字で、米州は63億円の黒字だった。各地域でどの程度の人員削減を行う かは決定していない。

野村HDの株価は6日午後、この報道を受けて上昇し、一時前日比 9円(3.5%)高の269円を付けた。

--取材協力:河元伸吾

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