ユーロが対ドル2カ月ぶり高値付近、ECB債券購入期待続く

東京外国為替市場では、ユーロが対 ドルで約2カ月ぶり高値付近で推移した。欧州中央銀行(ECB)が無 制限の債券購入に動くとの期待を背景に、ユーロは対円でも強含みの展 開となった。市場関係者はECBがこの日に開く政策委員会に注目して いる。

午後3時30分現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=2626ドル前後。 一時は1.2631ドルまで値を切り上げ、4日の海外市場で付けた高値 (1.2628ドル)を超えた。ただ、ECB会合を前に積極的なユーロ買い は限定的となっている。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、債券購入策について はかなり具体的な内容が伝わっており、その通りのものが導入されれば ユーロが水準を切り上げる可能性があると指摘。半面、無制限購入に関 しては、「さすがにできないのではないか」という見方も強いといい、 失望を誘う可能性も残るため、ECB会合の結果判明までは「動きづら い」と語った。

ユーロ・円相場も一時1ユーロ=99円02銭と、前週末に付けた8 月21日以来のユーロ高値(99円03銭)に接近。一方、ドル・円相場は小 動きの展開が続き、日中の値動きは1ドル=78円38銭から78円47銭のレ ンジにとどまった。

債券購入計画

ECBは6日、政策委員会終了後に政策決定の内容を公表する。ド ラギ総裁はその45分後のフランクフルト時間午後2時半(日本時間同9 時半)から記者会見する。

中央銀行関係者2人が明らかにしたところによると、ドラギ総裁が 計画している債券購入案は、償還期間が最長約3年と短めの国債を無制 限に買い入れる一方で不胎化措置によって通貨供給増加に対する市場の 懸念を抑える内容。

一方、ECBが過去最低の0.75%の政策金利をさらに引き下げるか どうかについては、エコノミストの意見は分かれている。ブルームバー グが調査した58人のうち30人が、0.25ポイントの引き下げを予想したの に対し、残り28人は政策金利の据え置きを見込んでいる。

ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)の通貨ストラテジス ト、エマ・ローソン氏は、「ECBの国債購入計画の詳細が分かったこ とやECBが期待通りのことをしようとしていることを、市場は好感し ている」とし、「ユーロは少なくとも現行水準を維持できるだろうし、 ECB会合に向けてもう少し支えられる可能性がある」と語った。

また、みずほ証券の鈴木氏は、実際に国債の購入が「無制限」とい う形になった場合、スペイン国債利回りが6%を割り込む展開も見込ま れ、同利回りが5%台に落ち着いてくると「明るさが出てくる」と指摘 した。

米国の雇用動向

一方、米国ではこの日、8月の民間雇用統計と先週分の新規失業保 険申請件数が発表される。内容次第では、週末に発表される米雇用統計 や米国の追加緩和に対する思惑が強まる可能性がある。

ユニオン・バンクのトレーダー、白井万雄氏(ロサンゼルス在勤) は、雇用統計の数字が悪ければ「QE(量的緩和)は確実といったよう うな感じにマーケットはみている」とし、「ドル・円は雇用統計までは やはり動きづらいと思う」と話していた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング (ADP)エンプロイヤー・サービシズが6日に発表する8月の米民間 部門の雇用者数は前月比14万人増の見通し。7月は16万3000人増だっ た。

--取材協力:東京 三浦和美. Editors: 崎浜秀磨, 青木 勝

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE