日本株6日ぶり小反発、輸送用機器や不動産、金融高い-ECB待ち

東京株式相場は6営業日ぶりに小幅 反発。続落長期化で短期的な株価の下げ過ぎが意識される中、米国自 動車販売の好調があらためて評価され輸送用機器株が上昇。8月の都 心オフィス空室率の予想外の低下が好感され、不動産株も買われた。 金融や情報・通信株も堅調だった。

半面、欧州中央銀行(ECB)理事会を前に積極的な買いも手控 えられ、世界的な経済の先行き不安から商社や精密機器株は下落。公 正取引委員会が10社をカルテル容疑で立ち入り検査したことが明ら かになった海運株は、東証1部33業種で下落率トップとなった。

TOPIXの終値は前日比0.91ポイント(0.1%)高の719.00、 日経平均株価は75銭(0.01%)高の8680円57銭。

プリンシパル・グローバル・インベスターズの板垣均社長は、「日 本株は6月以降、もち合い相場にある」とし、トレンドから判断すれ ば1-2週間でなお日経平均8500円まで下がってもおかしくないと 言う。このレンジ相場をいずれかの方向に抜けるには、「米経済のコン センサス下振れが一時的なのか、中国経済が思っていたより悪いか」 どうかが判明した際だろう、としていた。

きのうの米国株が高安まちまちで方向感が出なかったこともあり、 日本株はこの日も前日終値を挟み小幅なレンジで上下動を繰り返した。 米雇用統計やドイツの憲法裁判所による欧州安定化メカニズムの妥当 性判断、米金融政策など来週にかけて重要イベントが相次ぐとあって、 売買はこの日も低調。そうした中、株価指数は5日続落後とあって、 買い戻しも入りやすかった。

輸送用機器がTOPIX寄与度1位

TOPIXの上昇寄与度で首位となったのは輸送用機器。メリル リンチ日本証券では、前日の8月米自動車販売を受け、グローバル販 売の中で米国市場の相対的な好調さを再認識する展開だと指摘。日本 メーカーにとって持続的な収益成長に向けてポジティブだ、と評価し た。個別では、インドネシアの販売回復期待が強まったヤマハ発動機 が東証1部の上昇率トップ。

ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、「世界景気 全体は横ばいとなっているだけに、株価指数もボックスの動きになる のは仕方がない」としながらも、きょうは「米販売好調の自動車や穀 物価格上昇を受けた食料品が上昇するなど、業種面はそれぞれ動向に 沿った動きをしている」とも話していた。

また不動産では、ゴールドマン・サックス証券が8月の都心部オ フィス空室率の9.35%への上昇を事前予想する中、三鬼商事が午前に 発表した8月空室率は9.17%へ前月(9.30%)から低下。市況改善が 好感され、不動産業指数は発表後にプラスに転じた。

このほか、通信については、きのうメリルリンチ日本証券主催の コンファレンスで社長が講演したソフトバンク、株式市場は経営刷新 後の変化を過小評価しているとしてUBS証券が目標株価を引き上げ たヤフーが上昇。情報・通信業指数をけん引した。

ユーロ堅調も警戒くすぶる

きょうのECB理事会でドラギ総裁が計画している債券購入案は、 無制限に買い入れる一方、不胎化措置によって通貨供給増加に対する 市場の懸念を抑える内容だと、説明を受けた中銀関係者が明らかにし た。為替市場では、ドラギ総裁が債券購入計画を発表するとの期待か ら、一時1ユーロ=99円近くと、きのうの東京株式市場の終値時点98 円29銭と比べユーロ高・円安方向に振れた。

もっとも、株価指数は上昇したものの、東証1部では値下がり銘 柄の方が優勢。東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、「具体的な話が 出てくるのかどうかまだ分からず、事前に内容が伝えられたことで材 料出尽くしになる可能性もある」と警戒感を示唆。今後も気になる材 料が多く、「一つ一つ確認しなければならない」としている。

東証1部の売買高は概算で15億5012万株、売買代金は同8806 億円。値上がり銘柄数は569、値下がりは929。

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