債券下落、ECBの国債購入でリスク回避緩む-30年入札順調

債券相場は下落。欧州中央銀行( ECB)がユーロ圏内の重債務国の国債購入に乗り出すとの観測から下 落した米国債相場の流れを引き継ぎ、売りが先行。午後に発表された30 年物国債の入札結果は順調だったが、安全資産への需要を盛り上げるに は至らなかった。

東京先物市場で中心限月9月物は前日比4銭安の144円13銭で開始 し、午前中は同水準程度でもみ合った。午後は30年債入札の結果を受け て、1時前に1銭安の144円16銭まで下げ渋ったが、直後に下げ幅を拡 大。1時20分ごろに14銭安の144円03銭と、8月31日以来の安値を付け た。その後は144円13銭まで戻す場面もあったが、結局は8銭安の144 円09銭で引けた。

バークレイズ証券の徳勝礼子シニア債券ストラテジは「今晩の ECB理事会でスペインなどの国債購入を決定するとの観測が強まって おり、リスク資産には支援材料だ」と指摘。「ドラギECB総裁は償還 3年までの国債の買い入れは財政ファイナンスではないと言い訳してお り、ある程度の期待感があるのだろう」と述べた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の325回債利回りは 同1ベーシスポイント(bp)高い0.805%で始まり、午前は同水準で推 移。30年債の入札結果を受けて0.5bp高い0.80%まで上げ幅を縮めた が、午後1時過ぎには1.5bp高い0.81%と8月28日以来の水準に上昇し た。2時過ぎからは再び0.805%。5年物の105回債利回りは0.5bp高 い0.20%。

超長期債、入札後も軟調

超長期債も軟調。20年物の139回債利回りは0.5bp高い1.645%で始 まり、午前11時前に1.655%に上昇。30年債入札の結果発表を受けて横 ばいの1.64%に下げる場面もあったが、直後に2bp高い1.66%と4営業 日ぶりの水準まで上げた。午後2時過ぎからは再び1.655%。30年物 の36回債利回りは1bp高い1.87%で開始。午前11時前からは1.5bp高 い1.875%で推移した。

財務省がこの日実施した表面利率1.9%の30年利付国債(9月発 行、37回債)の入札結果によると、最低落札価格は99円85銭と市場予想 を5銭上回った。小さければ好調とされるテールは10銭となり、前回と 同水準。投資家の需要の強さを示す応札倍率は4.46倍と、2011年1月以 来の高水準となった。

SMBC日興証券金融経済調査部の山田聡部長は、30年債の入札に ついて「実需が強い様子うかがえる」と評価。その半面、「13日に20年 債入札を控えており、投資家はあくまで押し目買い姿勢だ。超長期ゾー ンの買い安心感にはつながっていない」とも指摘した。

ECBのドラギ総裁が計画している一部重債務国の債券購入案は、 年限が3年程度までの国債を無制限に買い入れる一方、不胎化措置によ って通貨供給増加に対する市場の懸念を抑える内容だという。説明を受 けた中銀関係者2人がブルームバーグ・ニュースに明らかにした。

きょうの円相場は1ドル=78円40銭台が中心。ユーロに対しては軟 調で、午後には1ユーロ=99円台まで一時下げた。日経平均株価の終値 は0.01%高の8680円57銭。約1カ月ぶり安値を付ける場面もあった。

5日の米国債相場は続落。ECBの債券購入案の具体策としてソブ リン債を無制限に買い入れることが示唆されていると伝わり、安全資産 とされる米国債の投資妙味が薄れた。米10年債利回りは前日比2bp上昇 の1.60%程度。一方、米株相場は総じて下落。S&P500種株価指数 は0.1%下げて1403.44。

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