住友電:車軽量化へ新型アルミ製ワイヤーハーネス開発-年内商用化も

【記者:堀江政嗣】

9月6日(ブルームバーグ):電線や自動車関連部品などを手掛け る住友電気工業は、アルミニウム合金を使って従来の銅製と強度がほ ぼ同程度の自動車用ワイヤーハーネスを開発した。銅と比べ軽量化で きるほか、コストも下げられるメリットがある。早ければ年内にも自 動車メーカーへの提案を始める。

住友電工では従来からアルミ合金のワイヤーハーネスを製造して いたが、熱や振動に弱いなどの弱点があった。自動車事業担当の西田 光男専務は8月27日の名古屋市内でのインタビューで、アルミに混ぜ る元素の配合を工夫することで銅製と強度がほぼ同等のワイヤーハー ネスを開発したことを明らかにした上で、「商品の安全検査の段階まで きており、今年か来年には自動車メーカーに提案したい」と話した。

住友電工は2010年にアルミを使った自動車用ワイヤーハーネス を開発し、トヨタ自動車の小型ワゴン「ラクティス」に採用されたと 発表。当時の技術では銅製と比べ耐熱性や耐震強度に劣り、比較的安 定した状態で使用されるドアまわり以外での採用は進んでいなかった。

西田専務は今回新たに開発したアルミ製のワイヤーハーネスにつ いて、従来の銅製と同程度の強度があるため、高温で振動が大きいエ ンジンまわりにも使用可能としている。

住友電工広報担当の堀葉祐一郎氏によると、アルミの比重は銅の 3分の1程度だが、アルミは銅より通電性が悪いため使用量が増える ことや、腐食しやすく防腐措置が必要なことから、実際には従来の銅 製と比べ平均で2割程度軽くなる。車種にもよるが、価格についても 引き下げられるという。

世界シェア2位

ワイヤーハーネスは電線や接続器具などで構成される電気配線シ ステム。自動車内はエアコンやカーステレオ、電動開閉窓などの電装 品に電力・情報伝達の役割を担う。住友電工の主要商品の一つで、13 年3月期のワイヤーハーネス売上高は自動車関連事業の76%を占め、 8240億円の見通しだ。世界シェアは約26%で、矢崎総業に次ぎ2位。

車1台に使用されるワイヤーハーネスは重いもので20キロ程度 になるという。西田専務は、自動車メーカーの軽量化へのニーズは高 いとし、「質と価格の両面で優位になれば、従来の銅製品からの置き換 えが進むはずだ」とシェア向上に意欲を示した。

住友電工の6日の株価は前日比1.2%高の861円で取引を開始。 年初来では2.7%の上昇。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE