欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁が計画している債券購入案は、無制限に買い入れる一方で不胎化措置 によって通貨供給増加に対する市場の懸念を抑える内容だと、説明を受 けた中銀関係者2人が明らかにした。

計3人の関係者が匿名を条件に述べたところによると、青写真で 「マネタリー・アウトライト・トランザクション」と名付けられている この案で、ECBは利回りに表立った上限を設定することは控える。関 係者のうち2人は、購入対象は広範囲の資産ではなく国債のみで、年限 が3年程度までのものになると述べた。

計画が伝えられた後にユーロは対ドルで一時0.5セント上昇し、フ ランクフルト時間午後5時40分現在は1ユーロ=1.2611ドル。スペイ ン10年債もこの日は上昇した。ECBの報道官は、まだ行われていない 決定についての報道は誤解を招くとした8月20日の同中銀の声明に言及 するにとどめた。

ドラギ総裁は欧州議員らに今週、分断化されたユーロ圏経済の中で 金利をコントロールする力を中銀の手に取り戻し、ユーロの存続を確実 にするために債券市場への介入が必要だと説明していた。ECBの政策 委員会は5日中に計画についての協議を開始し、合意に至ったかどうか をドラギ総裁が6日の記者会見で公表する。

無制限を約束できるか

スタンダードチャータード銀行(ロンドン)のエコノミスト、トー マス・コスターグ氏は「『無制限』という語が注目の的だ」として、ド ラギ総裁が6日の会見でこれを確認すればECBの言葉遣いとして「新 段階」となり、「市場に強力なシグナルを送るだろう」と語った。

関係者らは、政策委員会メンバーで計画に反対しているのはドイツ 連邦銀行のバイトマン総裁のみで、提案内容は政策委で採択される見込 みだと述べた。関係者の1人は、バイトマン氏とドラギECB総裁の間 に緊張は以前からないとして、国債購入に内在するリスクが顕在化する かどうかで意見が割れているだけだと語った。

ECBは国債購入によってシステムに流れ込んだ流動性を他の部分 で吸収して購入を不胎化し、通貨供給量への影響を中立にする。

現在は金利0.01%のターム物預金によって資金を吸収している。中 銀預金金利がゼロであることやユーロ圏の銀行システムに約8000億ユー ロ(約79兆円)の過剰流動性があることから、ECBが国債購入を膨ら ませても大きな障害にはぶつからないとみられる。

関係者2人によれば、ECBは新たな購入プログラムに巨額の資金 を投じることは想定していないものの制限は設けない計画。また、購入 した債券についてECBが優先債権者となることはなく、スプレッドの 目標や利回りレンジを公にすることもしないという。2人の関係者によ れば、非公開の目標も設定せず、裁量的に購入する方針。

関係者2人によると、ドラギ総裁は購入が条件付きであることを6 日の会見で強調する。欧州の救済基金に支援を要請した際に同意した条 件を満たさない国の国債購入は停止する公算で、合意違反の場合に ECBが購入済みの国債を売却する案も検討されるという。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE