NY外為:ユーロ上昇、ECB債券購入の詳細発表を控え

ニューヨーク外国為替市場ではユー ロが大半の主要通貨に対して上昇。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁が債務危機の沈静化に向け、債券の無制限購入と不胎化措置を発表す ると、中銀関係者2人が明らかにしたことが買いを誘った。

前週はドラギ総裁が6日の政策決定会合で追加の金融緩和策を発表 するとの楽観が広がり、ユーロが対ドルで2カ月ぶりの高値を付けた。 ポンドはこの日、対ドルで3カ月ぶり高値に上昇した。英サービス業活 動が加速し、英中銀が緩和策を見送るとの思惑が背景にある。カナダ中 銀のカーニー総裁が利上げの必要性にあらためて言及したものの、カナ ダ・ドルは軟化した。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏(ニ ューヨーク在勤)は「ユーロはかなり短期的には上昇する余地がある。 ECBがわずかながらも追加緩和を実施する可能性があり、欧州資産の リスクプレミアムが下がっているためだ」と分析。「ECBは前回会合 からの政策姿勢を維持すると思われるが、一段の詳細を明らかにする必 要がある」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで0.3%上げて1 ユーロ=1.2601ドル。一時は0.5%下げる場面もあった。前週末に は1.2638ドルと7月2日以来の高値を付けていた。対円ではこの 日、0.2%高の1ユーロ=98円77銭。円は対ドルでほぼ変わらずの1ド ル=78円39銭。

「ユーロ安トレンドの反転も」

ゲイン・キャピタル・グループのシニア為替ストラテジスト、エリ ック・ビロリア氏(ニューヨーク在勤)は「ユーロはテクニカル的には っきりした下降トレンドにあるが、1.2650ドルを断定的に上回れば、こ のトレンドが反転する可能性がある」と指摘した。さらに「ドラギ総裁 が前回会合で債券購入に言及した。そのために楽観的な見方の多くが織 り込まれ、ユーロは上昇してきた。うわさで買って事実で売る動きにな る公算もある」と語った。

フォーキャストによると、ユーロは下降チャンネルの上限に達した 後、2年ぶりの安値に下落する可能性がある。

カナダ・ドルは0.5%安の1米ドル=99.05カナダ・セント。カナダ 中銀は政策金利を1%で据え置いた。カーニー総裁は世界的な需要減で 輸出が弱く景気回復が抑制されているものの、内需が景気を押し上げて おり、利上げが必要になる可能性があると述べた。

ポンドは対ドルで0.2%高の1ポンド=1.5902ドル。一時は1.5934 ドルと5月16日以来の高値を付けた。対ユーロで0.1%安の1ユーロ =79.23ペンス。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は0.1%安の81.312。

年限は3年程度か

計3人の関係者が匿名を条件に述べたところによると、青写真で 「マネタリー・アウトライト・トランザクション」と名付けられている 案で、ECBは利回りに表立った上限を設定することは控える。関係者 のうち2人は、購入対象は広範囲の資産ではなく国債のみで、年限が3 年程度までのものになると述べた。

ドイツのメルケル首相は与党キリスト教民主同盟(CDU)の議員 らに、年限が短めの債券を対象としたECBの一時的な購入は容認でき ると語った。非公開の会合での発言について、ノルベルト・バーセル議 員が明らかにした。

ドイツ憲法裁判所は12日にユーロ圏の恒久的な救済プログラムであ る欧州安定化メカニズム(ESM)が違憲かどうかの判断を下す。中銀 関係者2人は8月24日にドラギ総裁が債券購入計画の完全な詳細を同裁 判所の判断が出るまで遅らせる可能性があると指摘した。

ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業ディレクター、カール・フォ チェスキ氏(ニューヨーク在勤)は「ドラギ総裁の計画に対する興奮気 味の期待感による一時的な動きのようだ。6日の記者会見への期待が高 まっている」と指摘。「ドイツ憲法裁判所の判断など多くの材料が残っ ている」と続けた。

原題:Euro Rallies on ECB’s Bond-Buying Plan to Contain Debt Crisis(抜粋)

--取材協力:David Goodman、Jana Randow、Jeff Black.

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