米産牛輸入7年ぶり緩和、月齢30カ月以下へ-吉野家株が上昇

米国産牛肉の輸入規制の緩和につい て検討してきた内閣府食品安全委員会のプリオン専門調査会は5日、 「月齢20カ月以下」としていた従来の制限条件を改め、「30カ月以下」 にしてもよいとする評価結果を出した。規制が緩和されれば7年ぶり。

同調査会の酒井健夫座長(日本大学生物資源科学部教授)は会合後 の記者会見で、政府への提出時期については「作業終了次第、速やかに 提出したい」と述べるにとどまった。

米国産牛肉の輸入は、政府が2003年12月に米国で牛海綿状脳症 (BSE、狂牛病)感染牛が確認されたことを受けて禁止したが、05年 に月齢20カ月以下の牛に限り輸入を再開した。「30カ月以下」への規制 緩和は検疫業務を所管する厚生労働省が昨年12月、緩和した場合のリス クについて食品安全委員会に諮問していた。

プリオン専門調査会は、BSEの原因となる異常プリオンタンパク 質についての国内外の研究グループの感染実験データや、飼料規制の実 効性、BSEの発生状況などを確認し議論を続けてきた。その結果、安 全性に問題はないと評価した。

同調査会の資料によると、世界のBSE感染牛の発生数は1992年の 3万7316頭をピークとして、その後は大幅に減少しており、10年は45 頭、11年は29頭にとどまっている。発生原因と考えられる感染牛の肉や 骨が混入した「肉骨粉」の飼料への使用を規制したことなどが功を奏し た。

農林水産省によると、日本の11年の米国産牛肉の輸入量は12万684 トンで豪州に次いで2位。米国でBSE感染牛が確認された03年の26 万7583トンから55%減少している。一方、豪州産の輸入量は33万9538ト ンと28万4365トンから19%増加した。

吉野家株は一時、前日比10%高の11万1600円まで買われ、08年10 月15日以来の日中上昇率を記録した。終値は3.4%高の10万4600円。野 村証券の繁村京一郎アナリストは「株価が動いた要因は食品安全員会の 米国産牛肉の規制緩和だけだろう。仕入れ価格が低下しコストメリット が出やすくなる」と説明。「ただ、コストが下がった分だけ値下げもあ り得るので、今後を見極めていく必要がある」とも述べた。

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