日本株5日続落、米統計低調とユーロ安嫌気-輸出や資源、素材安い

東京株式相場は5日続落。8月の供 給管理協会(ISM)製造業景況指数の低下で米国景気への懸念が高 まったほか、為替のユーロ安が嫌気された。キヤノンやコマツなど時 価総額上位の輸出関連株が下落、石油など資源関連、鉄鋼など素材関 連、海運株といった海外景気動向に敏感な業種の下げが大きかった。

TOPIXの終値は前日比8.60ポイント(1.2%)安の718.09、 日経平均株価は95円69銭(1.1%)安の8679円82銭。両指数ともき ょうの安値で取引を終えた。

ユナイテッド投信投資顧問の井上淳最高投資責任者(CIO)は、 「ISM指数は米景気が停滞局面にあることを示した。中国の減速は 春以降にだいぶ株価へ織り込んだが、米国景気も期待したほどではな い」と指摘。輸出関連への悪影響により、「日本株が7月安値で止まる のは難しいだろう」との認識を示している。

TOPIXは終値で7月26日以来、日経平均は8月3日以来の安 値水準に沈んだ。5日続落は、TOPIXが7月18日以来、日経平均 は同12日以来の連続安記録となる。

米ISM、「ヘッドライン以上に厳しい」

4日の米市場で発表された8月のISM製造業景況指数は、49.6 と前月の49.8から低下し、2009年7月以来の低水準となった。ブル ームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は50。製造業景況指 数は09年後半から拡大局面に転じていたものの、3カ月連続の縮小に よりトレンド転換のリスクを内包していることが示された。

シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは、新規受注 と生産が前回リセッション末期以来の水準に低下する一方、在庫が上 昇した点を踏まえ、「中身はヘッドライン以上に厳しかった」と言う。

また、HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクス が5日に発表した8月の中国サービス業購買担当者指数(PMI)は、

52.0と7月の53.1から低下した。UBSのハイテク担当アナリスト は、12年の世界半導体売上高が3%減少すると予想、1.4%の増加と していた従来の見通しを下方修正するなど、世界の景気や業績に対す る不安の強さを裏付ける材料が相次いだ。

一方、外国為替市場ではユーロが対円で一時98円10銭台と、3 日ぶりの円高・ユーロ安水準となった。欧州中央銀行(ECB)理事 会をあすに控える中、国債購入策をめぐる不透明感が背景だ。ドイツ のレスラー経済技術相は、ECBの国債購入はユーロ危機の恒久的な 解決策にはなり得ず、インフレの危険を招くとの見解を示した、と独 紙シュツットガルト・ツァイトゥングが報じていた。

重要イベントへの警戒残る

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は、 「ECB理事会と米雇用統計の結果次第では円高になりかねず、警戒 感がある」と指摘。さらに、日本航空の株式再上場に伴う換金売り、 国内政治の混迷もマイナス要因になっており、「日本株の環境は良くな い」としている。

米統計の低調や円の高止まりが業績に与える影響が不安視され、 業種別では電機や機械、海運などが東証1部33業種の下落率上位に並 んだ。また、4日のニューヨーク原油先物が1.2%安の1バレル=

95.30ドルと反落、ロンドン金属取引所の銅相場も下げるなど商品市 況安が嫌気され、石油・石炭製品、非鉄金属、鉱業など資源関連株の 下げも目立った。半面、上昇は医薬品、その他金融の2業種のみ。

東証1部の売買高は概算で14億6233万株、売買代金は同8552 億円。値上がり銘柄数は331、値下がりは1246。

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