債券は上昇、米指標悪化や株安で5年債0.2%割れ-夜間で一段高

債券相場は上昇。米供給管理協会 (ISM)が発表した8月の製造業景況指数が3カ月連続の縮小とな るなど世界的な景気先行き懸念を背景に買いが先行した。午後に入る と国内株安などを受けて買いが膨らみ、新発5年債利回りは3週間ぶ りに0.2%割れとなった。

東京先物市場で中心限月9月物は、前日比6銭高の144円13銭で 取引を開始し、直後に144円16銭まで上昇。いったんは横ばいの144 円07銭まで伸び悩んだが、その後は株安を受けてじり高で推移。結局 は144円17銭と、この日の高値で引けた。根強い景気懸念を背景に、 夜間取引では144円23銭まで上昇し、8月7日以来の高値を付けた。

三井住友海上あいおい生命保険経理財務部の堀川真一部長は「株 安が効いており、中国株も弱く、円債相場は堅調。先日発表された日 本の鉱工業生産もマイナスだった。政策期待があってもすぐに景気が 回復するとは思えず、リスクオフ(回避)の動きとなっている」と話 した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の325回債利回り は同0.5ベーシスポイント(bp)低い0.80%で開始。午前10時過ぎ に横ばいの0.805%を付けたが、午後は再び0.80%で推移。5時前後 には0.795%に下げた。5年物の105回債利回りは午後に入り、0.5bp 低い0.195%に低下。8月15日以来の0.2%割れを記録した。

超長期債堅調

20年物の139回債利回りは一時1.5bp低い1.635%に下げ、新発 20年債利回りとしては8月15日以来の低水準を付けた。30年物の36 回債利回りは1bp低い1.86%と、8月23日以来の低い水準。

クレディ・スイス証券の海老原慎司債券ストラテジストは「30年 債の入札を控えているわりに超長期債がしっかり。割安感を修正する 余地があると思う。利回り曲線の傾斜化が進んだため、30年債利回り の1.9%近辺で入札を迎えれば、需要があるのではないか」と話した。

4日の米国債相場は反落。米10年債利回りは前日比2bp上昇の

1.57%程度。米ISM製造業景況指数が予想を下回り、下げ渋る場面 があったが、欧州当局者が域内債務危機の解決に向け新たな措置を発 表するとの観測が重しになった。ドイツ証券の山下周チーフ金利スト ラテジストは、「米ISM製造業景況指数の影響が大きく、金利が低位 安定する要因だろう」と話した。

あす6日に30年債の入札が実施される。5日の入札前取引では

1.89%程度で推移しており、表面利率(クーポン)は前回債より0.1 ポイント低い1.9%が見込まれている。発行予定額は前回債と同額の 7000億円程度。

30年債入札について、三井住友海上あいおい生命の堀川氏は「償 還が前回債より6カ月伸びる。クーポン1.9%のパー(価格100円) で買えれば良いという感じ。水準的にやや物足りないが、1.9%近辺で あれば、債券残高の組み入れが遅れている投資家からの需要があると 思う」との見方を示した。RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテ ジストは「生保の向こう数カ月分の平準買い(一定金額を分散しなが ら購入する)の需要が前倒しで出てくる可能性が高い」と指摘した。

--取材協力 赤間信行 Editors:山中英典、青木勝

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