三井住友トラスト不動産:運用資産5000億円へ倍増計画-私募リートも

三井住友トラスト・グループの三井 住友トラスト不動産投資顧問(東京都千代田区)は運用資産規模を2014 年3月末までに前期(12年3月期)比で2倍以上の5000億円に拡大する 考えだ。欧州債務危機や世界的な景気減速懸念を背景に、海外の金融市 場の低迷が続く中、日本の不動産市場の安定性に注目した資金の呼び込 みを図る。

同社の木村光男社長が4日、ブルームバーグ・ニュースの取材で明 らかにした。木村社長は「14年3月期には5000億円の運用資産を安定的 に確保したい」と語った。前期末の運用残高は2258億円だったが、今後 さらに私募ファンドを組成することで拡大を目指す。

日本銀行がデフレ脱却に向け、金融緩和の継続方針を打ち出す中、 東証REIT指数は安定した賃料収入やオフィス市況の回復期待などが 好感されて、比較的底堅い。年初以来の騰落率(9月4日終値)は TOPIX指数のマイナス0.26%に対し、東証REIT指数はプラ ス15.91%となっている。

木村社長は、投資家の資金が行き場を失っていると指摘したうえ で、「日本の不動産投資が見直されている」と述べた。また、海外投資 家にとっては、円高進行も資産価値の押し上げ要因となるため、対日投 資を進めている。三井住友トラスト不動産投資顧問は仏保険大手のアク サグループと協調して投資ファンドをそれぞれ組成、8月に両社で合 計100億円の資金を調達した。都内のオフィスビルを投資対象とし、今 後5年間で最大1000億円の運用資産規模を目指す方針だ。

市況回復の兆し

こうしたなか、不動産市場への投資資金の流入も増加している。三 井住友トラスト基礎研究所の調査では、日本国内の不動産を対象とする 私募ファンドの市場規模は12年6月末は約18兆3000億円と半年で約5400 億円増加し、03年の調査以来過去最高となった。

ドイツ銀行の不動産投資部門、RREEFのデータによると、2011 年の東京のオフィスビルのトータルリターン(賃貸収入と資本価値を含 む)はプラス3.4%と、前年のプラス0.5%を上回った。それ以前は3年 連続でマイナスだった。

同社はまた、株価の動きに左右されやすい日本版不動産投資信託 (Jリート)とは別に、長期安定運用を重視する機関投資家向けの商品 として、私募REITの設立も計画している。投資対象や資産規模など の具体的な詳細について、木村社長は「年度内には決める」と述べた。

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