ECB総裁:ユーロ存続のために国債購入が必要-議会を説得

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁は、同中銀の主たる責務が国債市場への介入を不可欠にするとの認識 を示した。ユーロの存続を確実にするため、金利をコントロールする力 をECBが取り戻す必要があると主張した。

同総裁は3日、欧州議会の非公開会合で、ユーロ圏17カ国の借り入 れコストをコントロールする力をECBが失ったと語り、同中銀が国債 を購入する最も強い根拠となる議論を展開した。ブルームバーグ・ニュ ースが録音された総裁発言を入手した。発言内容の一部はイタリアの通 信社AGIが3日に報じた。

ドラギ総裁は「ユーロ圏が分断化されている今、物価安定という目 標を追求することができない。金利の変更が域内の1国かせいぜい2カ 国にしか影響しないからだ」とし、「ユーロ圏の残る諸国に対して、政 策金利は全く意味を持たない」と指摘。従って、ECBによる国債購入 は「われわれの第一の責務を果たすための手段だ」と述べた。「率直に 言って、これらすべてはユーロの存続に大いに関わってくる」と付け加 えた。

ECBは会合が非公開だったことを指摘し、一段のコメントを控え た。同中銀の政策委員会は6日に債券購入案について決定する見込み。 ECBへの期待は既に、イタリアとスペインの国債利回りを押し下げて いる。議会証言でドラギ総裁は国債購入が中銀に託された責務の枠を超 えるとの指摘を否定。「われわれは物価安定という第一の責務を放棄す ることになるだろうか。いや、全くその逆だ」と語った。

提案は各国中銀に送付済み

ドラギ総裁の案は、欧州の救済基金に条件付きの支援を要請し、発 行市場での債券購入を求めた国の国債をECBが流通市場で買い支える という内容。スペインもイタリアもまだ支援を要請してはいない。

ECBは6日の決定を視野に、計画の提案を4日に各国中銀に送付 した。ドイツ連邦銀行(中銀)は国債購入策はあまりにも国家財政ファ イナンスに近いとしてこれに反対しているが、ドラギ総裁は購入対象を 年限が短めのものに限れば財政ファイナンスには当たらないとの見解 だ。同総裁は議員らに、「長期の債券を購入するならば、われわれの立 場は微妙なものになる。しかし、1、2年あるいは3年であってもその 程度の期間の債券の市場であれば、購入した債券はすぐに償還期限を迎 えるわけで、それが仮に財政ファイナンスにつながるとしてもほんのわ ずかでしかない」と説明した。

財政ファイナンスではない

さらに、多くの国が最近「大幅な前進を遂げた」ものの、「調整疲 れによって、ある時点でこの進歩が止まる可能性を排除できない」と指 摘。「ECBによる介入に条件を組み合わせることを求めるのはこのた めだ。これも、財政ファイナンスになるという非難への反論になる。財 政ファイナンスではない」と語った。

また、債務危機はさまざまな種類の債券の利回りをゆがめたと指 摘。市場はある国が危機にあると考えると高い利回りを要求、それが国 債ばかりではなく銀行債や社債にも及び、危機意識が一段と強化される と分析。「ここに、ECBの債券購入開始を正当化する主たる根拠があ る」と論じた。

金融政策が域内の1、2カ国にしか効果を持たない状況について 「われわれはユーロ圏を再建する必要がある。金利を通した物価安定を 実現するためにこそ、この分断化に対処する必要がある」と訴えた。

「純然たる」通貨同盟を達成するためには金融と財政、政治、経済 の4分野での進歩が必要だとして、「包括的アプローチを取るべき時 だ」と説いた。会合の冒頭ではメンバーらの温かい支援に感謝し、「今 後数週間、数カ月も必要になるだろう」と述べている。

原題:Draghi Told Lawmakers ECB Must Buy Bonds for Euro’s Survival (1)(抜粋)

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