ドラギ氏は市場の失望懸念せず、スペインに圧力増大も-政策委

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁は、今週の政策委員会の結果が投資家を失望させることをそれほど懸 念していないかもしれない。

ドラギ総裁が6日の政策委終了後に国債購入プログラムの詳細を明 らかにすると市場は期待しているが、イタリアとスペインは、ECBが 国債購入を開始する前提条件となる欧州救済基金への支援要請を行う意 思をほとんど示していない。債券利回りが上昇し、まず自分たちが行動 する必要があることを各国政府が再認識することも予想される。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのエコノミスト、 グスタボ・ライス氏は顧客向けリポートで、「ECBに市場は多くを期 待しているが、われわれは国債購入プログラムの内容がほとんど明確に ならないと考えている。市場は失望する公算が大きく、スペインに対す る圧力が増すだろう」と指摘する。

ドラギ総裁のプランは、当該国の政府が救済基金に発行市場での国 債購入を要請することがECBの流通市場での介入の前提となり、高債 務国が厳格な経済条件に同意することが求められる。スペインのラホイ 首相とイタリアのモンティ首相は借り入れコスト押し下げに動くよう ECBに圧力をかける一方、救済基金への支援要請には抵抗している。

ラホイ首相は、スペイン紙ABC、独紙ビルト日曜版などとの共同 インタビューで、「ドラギ総裁の介入についての発表は、問題解決に動 くECBの強い意思を示すことになる。私はECBの結果を待って、ス ペインとユーロのためになる決定を行う考えだ」と語った。

さまざまな資産クラスの購入も

イタリアのモンティ首相は8月29日付の同国紙ソレ24オレとのイン タビューで、政府の緊縮策が市場の懸念を和らげ始めているとの認識を 示し、現時点では欧州の救済基金を利用する必要はないと述べた。

米ワイオミング州ジャクソンホールで週末開かれたカンザスシティ ー連銀主催の年次シンポジウムでも、欧州危機は話題の中心となり、こ れを経済成長の脅威と位置付ける米連邦準備制度理事会(FRB)のバ ーナンキ議長も問題の解決を強く求めた。バーナンキ議長は「欧州にお ける最近の一部の政策提案を私はかなり前向きに捉えており、危機を打 開する政策イニシアチブを推進するよう欧州の同僚に強く促したい」と 発言した。

中央銀行の3人の当局者が8月31日語ったところでは、他をしのぐ 優れた選択肢は浮上しておらず、ECB政策委メンバーが討議の開始前 にドラギ総裁のプランを検討する時間はわずか24時間程度となりそう だ。当局者らによれば、政策委メンバーがフランクフルトに集まる1日 前の4日の段階で、ECB理事会が政策の選択肢のリストをユーロ導 入17カ国の中銀総裁に送付する見通しだ。

3人の当局者によると、ECBが検討する選択肢には、国債利回り の上限やドイツ国債に対する上乗せ利回り(スプレッド)の目標が含ま れる。当局者の1人によれば、国債だけでなく、さまざまな資産クラス の証券を購入する議論も行われているという。ECBの報道官はコメン トを控えている。

原題:Draghi May See Silver Lining in Disappointing on Bond Program(抜粋)

--取材協力:Charles Penty、Boris Cerni、Kristian Siedenburg、Jeff Black、Jana Randow.

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