7月31日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ反発、ECBの政策措置に期待-英ポンド下落

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが主要通貨のほとんどに対 して上昇した。欧州中央銀行(ECB)が今週の会合で、域内のソブリ ン債利回り上昇を抑制するための措置を講じるとの観測が広がった。

ユーロは上昇した後、伸び悩む展開になった。独財務省が電子メー ルで、欧州安定化メカニズム(ESM)に銀行免許を付与する必要はな いとの見解を示したことが上値を抑えた。前週はドラギECB総裁が統 一通貨を守るためにあらゆる措置を取ると表明したことを受け、ユーロ は上昇していた。英ポンドは4日ぶりに下落。ムーディーズ・インベス ターズ・サービスは英国の経済成長見通しを引き下げた。

シティグループのG10通貨戦略担当の北米責任者、グレッグ・アン ダーソン氏(ニューヨーク在勤)は「今週はユーロにとって悪材料より 好材料の方が多い」と指摘。「ECBが国債購入を再開する可能性は高 い。ドラギ総裁がその方向性を示唆している。市場も明らかにその期待 に沿って反応した」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時13分現在、ユーロは円に対して前日 比0.3%高の1ユーロ=96円11銭。対ドルでも0.3%上昇の1ユーロ =1.2301ドルとなっている。一時、対ドルで0.6%高まで上げる場面も 見られた。ドルは円に対してほぼ変わらずの1ドル=78円13銭。

英ポンドは対ユーロで0.6%下落して1ユーロ=78.49ペンス。ドル に対しては0.2%安の1ポンド=1.5675ドル。ムーディーズはロンドン で発表したリポートで、「英政府が目指す期限内の債務削減達成に向け 難問が増えてきた」と記述した。

月間で下落率最大

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると、ユーロは過去1カ月で 先進9カ国の通貨に対し3.1%下落と、最も下落率が大きかった。円は 同期間に2.5%上昇、ドルはほぼ変わらずだった。

6月の米個人消費支出が振るわず、ドルは対ユーロで軟調な展開が 続いた。FOMCがバランスシートを拡大し景気回復の後押しを図ると の観測が強まった。米商務省発表の6月の個人消費支出(PCE)は前 月比変わらず。前月は0.1%減と、速報値のほぼ変わらずから下方修正 された。

BNPパリバの為替ストラテジスト、メアリー・ニコラ氏(ニュー ヨーク在勤)は「当社はQE3が9月に発表されると見込んでいる。明 日はそれを強く示唆する文言が聞かれると当社エコノミストは予想して いる」とし、「リスクオンの動きを期待するが、ECBの会合を控え為 替相場の変動はやや抑制されるだろう」と述べた。

量的緩和

FOMCは2日間の会合を明日、終了する。先月の会合ではQE3 には踏み切らなかったものの、バーナンキ議長はQE3が選択肢の一つ であることを示唆した。米金融当局は2008年と11年の2度にわたり合計 2兆3000億ドル相当の債券購入を実施。FOMCは「異例の低金利」を 少なくとも2014年遅くまで持続する方針を示している。

ユーロは今月に入り対ドルで2.9%下落。24日には1ユーロ =1.2043ドルと、10年6月以来の安値を付けた。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)の為替戦略グローバル 責任者アダム・コール氏はブルームバーグ・ラジオとのインタビュー で、ユーロ相場は「これからじりじりと下げ続けるだろう」と予想。 「1.20ドルまで下げ、さらに割り込むと見ている。今後数週間というよ り、数カ月にわたる傾向となろう」と述べた。

原題:Euro Gains Versus Most Major Peers on ECB Wagers; Pound Weakens(抜粋)

◎米国株:下落、FOMC政策決定控え様子見-QE3見送り観測も

米株式相場は下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策決定 をあすに控え市場は様子見の状態となっている。S&P500種株価指数 は月間ベースでは2カ月続伸となった。

米高級ハンドバッグメーカー最大手のコーチは大幅安。4-6月 (第4四半期)決算では、売上高がアナリスト予想に届かなかった。医 療保険のヒューマナも安い。通期利益予想の下方修正が嫌気された。ア ップルは上昇。サンフォード・C・バーンスティーンが、アップルは株 式分割を検討しており、分割に伴い同社株はダウ工業株平均に組み入れ られる可能性があると指摘したことが材料視された。

S&P500種株価指数は前日比0.4%安の1379.32。今月は1.3%高と なった。ダウ工業株30種平均はこの日64.33ドル(0.5%)下げ て13008.68ドル。米証券取引所全体の騰落比率は3対5。

投資会社ホランド(ニューヨーク)のマイケル・ホランド会長は、 「FOMCでは前向きなサプライズは出てこないと市場はみており、期 待が後退しつつある」と指摘。「加えて、企業決算や欧州関連のニュー スは内容がまちまちで、これもプラスにはならない」と続けた。

市場ではFOMCが量的緩和第3弾(QE3)の決定を今回は見送 り、9月会合まで先延ばしにするとの見方が広がっている。

経済指標

6月の米個人消費は前月から変わらずとなった。所得は増加したも のの、消費者は貯蓄に回した。ただ7月の消費者信頼感指数は市場予想 に反して5カ月ぶりに上昇したことから、雇用に対する悲観的な見方は 弱まりつつある可能性もある。

この日は欧州株も軟調な展開となった。英石油会社BPやスイスの 銀行UBSの決算が予想を下回り、失望売りが出た。ブルームバーグの まとめたデータによれば、米国では4-6月(第2四半期)決算を発表 した企業の60%で、売上高が市場予想を下回った。一方、利益は約73% が予想を上回っている。

S&P500種の業種別10指数では選択的消費株指数が1.2%安と最大 の下げ。コーチは19%安の49.33ドルで、下落率は2001年以降で最大と なった。同社の北米の既存店売上高は1.7%増にとどまった。前年同期 は10%の増加だった。

フェイスブック、アップル

ヒューマナは13%安の61.60ドルで、下落率は09年以降で最大。ソ ーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)最大手フェイスブック は6.2%安の21.71ドルで上場来安値を更新。新規株式公開(IPO)価 格の38ドルを43%下回っている。

この日テクノロジー株は上昇した。アップルは2.6%高の610.76ド ルで、上昇率は5月21日以来で最大。バーンスティーンのアナリスト、 トニ・サコナギ氏は31日付のリポートで、アップルが17年ぶりとなる配 当の実施を3月に決定したことに基づき、株式分割後にダウ銘柄に採用 される可能性が高まっていると説明した。

サコナギ氏は「機は熟したとみている」とし、「アップルは配当実 施により、ダウ平均の構成銘柄と同じラインに立つことになる。時価総 額が2150億ドル超で、配当を実施し、ダウ平均に組み入れられていない のは現在、アップルだけだ」と付け加えた。

原題:U.S. Stocks Decline as Investors Await Federal Reserve Decision(抜粋)

◎米国債:上昇、月間ベースでも高い-欧州めぐる不安で逃避買い

米国債相場は上昇。月間ベースでも上げた。欧州債務危機を背景に 比較的安全だとされる米国債の需要が強かったほか、投資家は今週の欧 米金融当局による政策会合の結果を待って様子見の姿勢をとっている。

この日の10年債利回りは低下。米連邦公開市場委員会(FOMC) が31日と8月1日に開かれるが、エコノミストらは米当局が新たな資産 購入策は発表せず、異例の低金利を2014年遅くまで維持する方針をあら ためて示すと予想している。経済統計から欧州の財政問題が景気に悪影 響を及ぼしている可能性が示され、米国債とドイツ国債は月間ベースで 上昇した。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「市場は1日の発表を控えて様子見 している」と述べ、「市場はかなり変動しやすくなっている」と続け た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下して1.47%。同年債価格(表面利率1.75%、2022年5月 償還)は10/32上げて102 18/32。

利回り上昇は難しい

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は、「成長懸念が続 いており、欧州債務危機も収束せず、米国内では政治的な不透明感もあ る。この状況で国債利回りが大きく上昇することはないだろう」と述べ た。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、7月の米国債リターンは前日時点で1%。ドイツ債は1.4%、一方 スペイン債は0.5%のマイナスだった。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、88%が1日 のFOMC声明では新たな債券購入の記述は見送られると予想してい る。また48%は9月12-13日のFOMC会合で追加債券購入策が発表さ れる可能性があるとみている。

ドイチェ・バンクのチーフ米国エコノミスト、ジョゼフ・ラボーニ ャ氏は、「今回のFOMC声明で最もあり得るのは、景気の評価をある 程度引き下げるような文言に修正されることだろう」と述べ、「緩和へ のバイアスはそのまま維持されるが、一段の行動は予想されない。せい ぜい、異例の低金利を2014年遅くではなく、2015年遅くへと引き延ばす 程度だろう」と続けた。

ニューヨーク連銀は長期借り入れコストの抑制をめざし、残存期間 が長めの国債を購入し期間が短い国債を同額売却するオペレーション・ ツイスト(ツイストオペ)の一環としてこの日、2018年7月から19年7 月に償還を迎える米国債47億8000万ドル相当を購入した。

米財務省は第3四半期の純借り入れ所要額予想を上方修正し、4月 時点の予想から120億ドル増額して2760億ドルとした。同省は10-12月 (第4四半期)の純借入額については3160億ドルとの見通しを示した。 4-6月(第2四半期)の借入額実績は1720億ドル。見通しは1820億ド ルだった。

原題:Treasuries Record Monthly Advance Amid European Debt Concern(抜粋)

◎NY金:5日ぶり下落、米消費者信頼感改善で追加緩和観測が後退

ニューヨーク金先物相場は5営業日ぶりに下落。米消費者信頼感指 数が5カ月ぶりに改善したことから、連邦公開市場委員会(FOMC) に対する緩和圧力が後退するとの見方が強まった。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した7月の消費者 信頼感指数は65.9と、前月の62.7(速報値62.0)から上昇した。ブルー ムバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は61.5だった。FOMC はこの日、2日間の日程で会合を開始。欧州中央銀行(ECB)は8月 2日に政策会合を開く。ECBのドラギ総裁は先週、ユーロを守るため に必要なあらゆる措置を取ると表明した。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)のヘ ッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「明るい 内容の指標は何であれ、緩和措置の発表が数カ月先送りされることを意 味する」と指摘。「ECBがどんな行動を取るのか、あるいはドラギ総 裁は単に口先だけだったのかを見極めたいとの思惑が広がっている」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比0.6%安の1オンス=1614.60ドルで終了した。月間で は0.6%値上り。

原題:Gold Drops for First Time in Week as Data Mutes Bets on Stimulus(抜粋)

◎NY原油:続落、米追加緩和観測が後退-経済統計の改善で

ニューヨーク原油先物相場は続落。米消費者信頼感やシカゴ購買部 協会指数が改善したことから、連邦公開市場委員会(FOMC)が追加 措置を発表するとの見通しが後退した。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によれば、FOMCは この日開始した2日間の会合で量的緩和第3弾の実施は見送る公算だ。 米消費者信頼感指数は5カ月ぶりに改善したほか、シカゴ購買部協会指 数は前月から上昇した。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は 「FOMCの緩和に対する期待がある程度失われてしまったため、原油 は売られている」と指摘。「最近の上昇はもっぱら追加緩和を織り込ん でいた。経済指標が若干の改善を示しており、FOMCは以前ほど緊急 性を見いださない可能性がある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前週末 比1.72ドル(1.92%)安の1バレル=88.06ドルで終了。月間では3.6% 上昇した。

原題:Oil Declines for Second Day on Speculation Fed to Forgo Stimulus(抜粋)

◎欧州株:反落、BPやUBS決算に失望-月間は2カ月連続高

31日の欧州株式相場は反落。英石油会社BPやスイスの銀行UBS の決算が予想を下回り、失望売りが出た。米連邦公開市場委員会 (FOMC)の2日間にわたる会合を控えて様子見気分も強かった。ス トックス欧州600指数は月間ベースでは2カ月連続高となった。

BPは4.4%下げ、約10カ月ぶりの大幅安。UBSは5.9%下落し た。ベルギーのビールメーカー、アンハイザー・ブッシュ(AB)イン ベブは3.2%の値下がり。販売の落ち込みが響いた。一方で、通期業績 見通しを上方修正したドイツの医薬品最大手、バイエルは買いを集め た。

ストックス欧州600指数は前日比1%安の261.38で終了。今月全体 では4.1%上げた。ユーロを存続させ経済成長を支えるとの欧州当局者 の決意表明が好感された。6月4日に付けた年初来安値を12%上回って いる。

ノッツ・ストゥッキ(ジュネーブ)のファンドマネジャー、ピエー ル・ムートン氏は「決算が非常に芳しいと期待する向きはなかった」と 指摘。「このところの目を見張るような上昇の後、利益をいったん確保 するには好機だった」と説明した。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査の予想中央値によれ ば、8月1日に終了する今回のFOMCは大規模な資産購入策第3弾の 発表を見送り、6000億ドル規模の住宅ローン関連証券や国債を購入する 計画の発表を9月まで待つ可能性が高い。

この日の西欧市場では、18カ国中16カ国で主要株価指数が下落し た。

原題:European Stocks Drop as Earnings Trail Forecasts; BP, UBS Fall(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債続伸、ECB行動力に懐疑的-スペイン債下落

31日の欧州債市場では、ドイツ国債が続伸。ユーロ圏経済を支え るとの決意を、欧州当局者が週内の会合で実行に移すことはできない との観測が高まった。

ドイツ2年債利回りは過去最低を付けた。ユーロ圏の失業率が過 去最悪に達し、域内で最も安全とされるドイツ国債に資金が回帰した。 スペイン国債は5営業日ぶりに下落。ドイツのメルケル政権は近く稼 働する予定のユーロ圏の恒久的救済基金に銀行免許を付与しECBか ら流動性供給を受けられるようにする案を拒否した。ECBのドラギ 総裁は「ユーロを存続させるためにあらゆることを行う」と先週表明 したものの、これを実行に移すことはできないとの疑念が高まった。

ラボバンク・ネダーランド(ユトレヒト)のエコノミスト、エル ビン・デフロート氏はECBが「木曜日に開く会合への期待が市場の 中で幾分変わりつつある」とし、「協議の開始がプラスであることは 明白だが、ドラギ総裁に失望させられる恐れがあることも明らかだ」 と続けた。

ロンドン時間午後4時52分現在、ドイツ10年債利回りは前日 比9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.28%。前 日は1.43%と、5日以来の高水準に達した。同国債(表面利率

1.75%、2022年7月償還)価格はこの日、0.89上げ104.34。 2年債利回りはマイナス0.097%と、過去最低を記録。

スペイン10年債利回りは前日比14bp上昇の6.75%。前日ま での4営業日で1ポイント余り下げていた。同年限のイタリア国債の 利回りは6bp上げて6.08%となった。

原題:German Bunds Rise 2nd Day on Concern ECB Measures to Fall Short(抜粋)

◎英国債:10年債上昇、景気見通し悪化で-2日の中銀会合に注目

31日の英国債相場は上昇。英国のリセッション(景気後退)が深 まる中、7月の英消費者信頼感の低迷が示されたことを背景に買いが 優勢となった。

調査会社GfK・NOPの発表によると、7月の英消費者信頼感 指数はマイナス29と、前月と同水準となった。過去7カ月間、マイ ナス29からマイナス31のレンジで推移している。

10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の1.46%。過去最低は23日に記録した1.407%。 同国債(表面利率4%、2022年3月償還)価格はこの日、0.815上 げ122.68。

ブルームバーグがまとめた調査によれば、イングランド銀行(英 中央銀行)は8月2日の会合で資産買い取りプログラムを現行水準に 維持するほか、政策金利を据え置くとみられている。

原題:Pound Declines Versus Euro as Moody’s Cuts U.K. Growth Forecast(抜粋)