監視委:野村証券の処分勧告、法人情報管理不備で

証券取引等監視委員会は31日、野村 証券に公募増資など法人関係情報の管理に不備(金融商品取引法違反) があったとして、金融庁に行政処分を行うよう勧告したと発表した。主 幹事を務めた複数の上場企業の公募増資情報を公表前に機関投資家など に漏らしていたことに加え、新株の勧誘などを行っていた。

監視委の説明や発表資料によると、野村では収益を追求するあま り、機関投資家営業の担当者が恒常的に企業の未公開情報を他の部署か ら入手していた。その際、「銘柄名を聞かなければ銘柄が推測できても 問題ない」などの安易な考えがあり、営業に活用することが常態化して いたという。

このほか営業担当がアナリストから積極的に企業情報を聞き出そう としたり、営業部門での企業情報の共有などの行為が認められたとして いる。また、みずほフィナンシャルグループや東京電力など3件の公募 増資情報を公表前に伝えた上で、当該新株の取得申し込みや売買の勧誘 を行っていたことも判明したという。

監視委は今回勧告対象となった3事案とは別に、公募増資案件に関 する情報を顧客に提供、また勧誘した疑いのある複数の事例が認められ たとしている。これらについては、野村証などからの報告なども勘案し 必要に応じて調査を検討していく方針だ。ただ、一連のインサイダー問 題を受けて実施していた特別検査は31日終了した。

野村ホールディングスは、外部弁護士による社内調査を実施して、 監視委の指摘したような組織的な関与を認め、渡部賢一グループ最高責 任者(CEO)ら経営トップが引責辞任する事態に至った。

野村は同日夕、監視委の処分勧告を受けて「心よりお詫び申し上げ ますと」と改めて陳謝するコメントを発表した。今後については「勧告 を厳正に受け止め、内部管理態勢のより一層の充実・強化に取組み、信 頼の回復に努めていく」としている。