シンガポールGIC:現金保有を拡大、株式や債券は縮小

シンガポールの政府系ファンド (SWF)、シンガポール政府投資公社(GIC)は、欧州債務危機の 中、現金の保有比率を4倍近くに引き上げる一方で、株式や債券を減ら し、欧州の保有資産を縮小したことを明らかにした。GICの運用資産 は1000億ドル超。

GICが31日に発表した年次報告書によると、2012年3月期の現金 保有比率は11%となり、前年度の3%から上昇した。先進国の株式を減 らしたため、株式の保有比率は49%から45%に低下し、債券は22%か ら17%に低下した。

MSCI世界指数は08年の世界金融危機以来の大幅な下落を記録 し、市場のボラティリティは約2年ぶりの高水準になった。世界各国の 政策担当者が欧州債務危機の影響の拡大に備える中、資産を保全したい 政府系ファンドにとって、投資の選択肢は狭まっている。

招商証券のマネジングディレクター、ロナルド・ワン氏(香港在 勤)は、「安全な逃避先は多くないので、何と言っても現金は王様だ」 と指摘、「投資を削減して様子見姿勢を取ることが万人にとって理にか なっている。確実性が現れ、投資地合いが戻ってくるにはまだ時間がか かり、ここしばらく経済的な落ち込みは続くだろう」との見方を示し た。

GICの欧州資産の保有比率は28%から26%に低下し、英国の資産 は9%で変わらなかった。ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリ シャ、スペインの資産の保有比率は1.4%で、イタリアやスペインの不 動産や株式が大部分を占めている。

原題:Singapore’s GIC Adds Cash, Cuts Stocks and Bonds Amid Crisis (1)(抜粋)

--取材協力:Masaki Kondo、Joyce Koh、Linus Chua.