上期の協調融資4年ぶり高水準、円高で海外企業の買収需要が増加

今年1-6月期の国内シンジケート ローン(協調融資)の組成額が、4年ぶりの高水準となった。円高を背 景に、日本企業が海外企業の合併・買収(M&A)に伴う資金調達を活 発化させたことが主な要因。

全国銀行協会の31日の発表によると、12年上期の協調融資組成額は 前年同期比12%増の15兆1021億円となった。6月末時点の残高は同7% 増の59兆8322億円と過去最高を更新。海外企業の大型買収を実施した三 井住友フィナンシャルグループソニー東芝、武田薬品工業、東京海 上ホールディングス向けが組成額・組成残高を押し上げたとみられる。

貸し出しは回復傾向にあるものの、銀行のカネ余りは解消しておら ず、金利低下は続いている。日本銀行によると、金融機関が受け入れた 預金残高のうち、貸し出しに回らなかった分(預貸ギャップ)は6 月、174兆1524億円と、過去最高を2カ月連続で更新。また同月の新規 貸出金利は2カ月連続で1%を下回り、年0.997%と過去3番目の低水 準で推移している。

みずほ証券金融市場調査部の柴崎健チーフストラテジストは、協調 融資増加の背景として、歴史的な円高・低金利という環境で、海外企業 を買収するための資金調達や、金利が低いうちに投資資金を前倒しで調 達する動きがあったと指摘。ただ、日本企業向けの貸し出しは、「収益 性という点でみると、銀行への寄与は必ずしも大きくない」と述べた。

日本企業はほかのアジア企業に比べ、調達コストを大幅に抑制でき ている。ブルームバーグ・データによると、日本を除くアジアの協調融 資金利はドルLIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)+270.8bp。こ れに対し、米救命医療ゾール・メディカルの買収資金として1800億円を 調達した旭化成は、6カ月間のドル融資金利が1カ月ドルLIBOR +20ベーシスポイント(1bp=0.01%)と、低利で調達している。