リーマン時代のボーナスが支えるプロ人生-ロンドン五輪出場

イブリン・スティーブンス氏はファ ンドマネジャーとして働いていた2008年に、初めてレース用の自転車を 買った。ニューヨーク市の道路事情が不安だった同氏は、せっかくの自 転車をマンハッタンのアパートに置き、バッグ掛けに使っていた。

そんなスティーブンス氏が29日、夏季五輪ロンドン大会でロードレ ースに出場した。

スティーブンス氏(29)のプロの自転車選手としてのキャリアで最 新の成果だ。同氏は09年にグリーチャー・メザニンで4億8000万ドル (約375億円)の運用に携わるウォール街での仕事を辞め、プロになっ た。

身長1メートル70センチの同氏は、米リーマン・ブラザーズ・ホー ルディングスで投資銀行アナリストとして働いていたころのボーナスを 貯金し、所得減の打撃を和らげる「クッション」として使っているとい う。同氏はリーマンが破綻するより前の07年に同社を退社していた。

「ボーナスの大きな部分を貯金することができた」と同氏は振り返 る。そのおかげで今、「1万ドルとか8000ドルという選手としての収入 だけで生き延びなくても済む。投資銀行に勤めていなかったら、オリン ピックに出ることはできなかっただろう」と同氏は話した。

スティーブンス氏は29日のレースで24位だった。道端で応援する何 千人もの観客に慣れたのは10マイル(約16キロ)ほど走ってからだった という。同氏は「現実離れしていた」と述べ、「人生で最も信じられな いような体験だった」と話した。

同氏はプロとしてジロ・デ・イタリアのステージ優勝やベルギーの フレッシュ・ワロンヌの優勝経験がある。プロになって3年目、カリフ ォルニア州のスペシャライズド・バイシクル・コンポーネンツ社がスポ ンサーのチームで、まだ新しい仕事について学習中だと話した。収入は 大幅に減少したものの、週90時間労働のウォール街を去って、生活の質 は向上したという。

欧州で競技がある期間はスペインのジローナに住み、普段は米コロ ラド州ボールダーに在住の同氏は27日、ロンドンのオリンピックパーク で「ニューヨークでは圧力が感じられた。何かがネガティブで、皆がス トレスにさらされていた」とし、「今は以前のような大金は稼げない が、生活の質は高まった」と語った。

原題:Ex-Lehman Banker Parlays Bonuses Into Cycling Berth at Olympics(抜粋)