防衛白書:中国共産党指導部と軍の関係が複雑化、危機管理上の課題

政府は31日、2012年版の「防衛白 書」を発表した。中国に関して共産党指導部と人民解放軍との関係が複 雑化しているとの見方や、対外政策決定における軍の影響力が変化して いるとの見方があると指摘した上で、こうした状況は「危機管理上の課 題」として「注目される」と明記した。白書は森本敏防衛相が31日朝の 閣議で報告、了承された。

人民解放軍の対外政策決定における具体的な動きとして「国家主権 や海洋権益などをめぐる安全保障上の課題に関して、態度を表明する場 面が近年増加しているとの指摘がある」と紹介。一方、党の主要な意思 決定機関における軍の代表者数が過去に比べて減少していることから、 「党の意思決定プロセスにおける軍の関与は限定的であるとの指摘もあ る」ことも挙げている。

森本防衛相は31日の閣議後会見で、中国の動向に関する記述につい て「日本だけではなくて、東アジア全体で中国がどういう方向に行くの かということについて一定の警戒心があるということは事実なので、中 国の、特に海洋での行動、動きというのをできるだけ客観的に国民に説 明しようとした」と述べた。

白書は、中国の軍事動向については「軍事や安全保障に関する透明 性の不足とあいまって、わが国を含む地域・国際社会にとっての懸念事 項であり、慎重に分析していく必要がある」との見方を示した。とりわ け、東シナ海などで軍の各種活動が活発化していることから、「外洋で の展開能力の向上を図っているものと考えられる」とも分析している。