7月30日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ反落、ECB政策会合を控え-国債購入観測

ニューヨーク外国為替市場ではユーロがドルに対して4日ぶりに下 落。欧州域内のソブリン債利回りの上昇を抑制するため、欧州中央銀行 (ECB)がバランスシートを膨張させるとの観測が広がった。

ユーロは円に対しほぼ2週間ぶり高値から下落。ECBの政策決定 会合を8月2日に控え、スペイン国債が上昇幅を拡大した。ドラギ ECB総裁は先週、ユーロを守るためにあらゆる措置を講じると表明。 政策当局が国債市場に介入する可能性を示唆した。スウェーデン・クロ ーナは上昇。同国の国内総生産(GDP)がアナリスト予想を上回る伸 び率となったことが好感された。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニア為 替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏(ニューヨーク在勤) は「ドラギ総裁のコメントは週末を通して解釈が深まった。ユーロは継 続的な売り圧力にさらされることになるだろう。追加緩和は全てユーロ の売り材料とみなされる」と解説。「ユーロには現時点でかなりの売ら れ過ぎ感があり、政策決定会合を前に利益確定の取引が出る可能性もあ る」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時13分現在、ユーロはドルに対し前週末 比0.6%安の1ユーロ=1.2254ドル。前週は1.4%上昇していた。ユーロ は今月に入り3.3%下落。年初来では5.5%安となっている。円に対して は前週末比0.9%安の1ユーロ=95円81銭。先週27日には97円34銭 と、17日以来の高値に上げる場面も見られた。この日の円は対ドル で0.4%高の1ドル=78円19銭となっている。

ボラティリティ高まる

1週間物ユーロ・ドルオプションのインプライドボラティリティ( IV、予想変動率)は6月15日以来の高水準に近づき、11.933%。前週 は11.945%を付ける場面もあった。

シティグループのG10(主要10カ国)通貨戦略責任者を務めるステ ィーブン・イングランダー氏(ニューヨーク在勤)はこの日、ブルーム バーグ・ラジオとのインタビューで「ECBの国債購入をめぐる憶測が ユーロ相場を左右するだろう」とした上で、「私自身は少なくとも今週 はユーロに強気だ」と述べた。

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によると、ユーロの年末 相場は1ユーロ=1.23ドルが見込まれている。

中央銀行の当局者2人が27日明らかにしたところでは、欧州の救済 基金による発行市場での国債購入がドラギ総裁の提案には含まれてお り、過去最低の政策金利の確実な浸透を目的とするECBの流通市場で の国債購入によってこれを側面支援する。当局者の1人によると、 ECBによる一段の政策金利引き下げと銀行向けの長期資金供給も議論 の対象となる。

ユーロ防衛

30日のスペイン10年債利回りは6.61%と、前週25日に付けたユーロ 導入後最高の7.75%を下回った。

ガイトナー米財務長官とショイブレ独財務相はこの日、金融危機と ユーロ圏の信頼感の危機を克服するために必要な改革をすべて実施する との欧州首脳の決意を支持した。最も弱体化しているギリシャについて は触れなかった。ドイツのジルト島での会談後に共同声明を発表した。

一方、ムーディーズ・インベスターズ・サービスはリポートで、 ECBがユーロを守り抜く決意は必要なものと認めつつ、それだけでは 債務危機の解決には不十分との見方を示した。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏(ニ ューヨーク在勤)は「ECBの決定がどちらに転んでも、ユーロは下げ る」と予想。「ECBが措置を手控えれば、リスクは高まったままでユ ーロ圏崩壊の懸念が再燃する。ECBがソブリン債購入や緩和策を強化 すれば、また違った世界だ。その場合は典型的なユーロの下げ要因とな る」と述べた。

原題:Euro Drops Before ECB on Bond-Purchase Speculation; Krona Climbs(抜粋)

◎米国株:S&P500種は3日ぶり下落-FOMCと雇用統計控え

米株式相場は小反落。前週末までの上げは、景気見通しと比較して ペースが速過ぎたとの見方が広がった。S&P500種株価指数は2日間 の上げとしては年初来で最大だった。

JPモルガン・チェースが安い。ドイツ銀行による投資判断引き下 げが嫌気された。複合会社ロウズも下落。ジェームズ・ティッシュ最高 経営責任者(CEO)は世界経済について「非常に懸念している」と述 べた。同社の4-6月(第2四半期)決算は、3四半期連続での減益と なった。S&Pの住宅建設株指数は下落。シティグループが住宅建設株 の値下がり予想を示したことが手掛かりとなった。

S&P500種株価指数は前週末比0.1%安の1385.30。前週末までの 2営業日では3.6%上げていた。ダウ工業株30種平均はこの日2.65ドル (0.1%未満)下げて13073.01ドル。米証券取引所全体の騰落比率は2 対3。

フィフス・サード・アセット・マネジメントのキース・ワーツ最高 投資責任者(CIO)は「3日に雇用統計を控え、その前には連邦公開 市場委員会(FOMC)もある。そうした状況から市場は若干神経質に なっている」と指摘。「景気減速や企業利益の伸び鈍化が懸念されてい る。ひどく厳しいトレーディング環境だ」と続けた。

3日に発表される7月の雇用統計では、雇用が増加するとみられて いるものの、失業率は横ばいが予想されている。FOMCは7月31日- 8月1日に会合を開き、追加刺激策について議論する。

欧州株は上昇

欧州市場ではこの日、債務危機の対応策への期待からストックス欧 州600指数が4月以来の高値に上昇。ガイトナー米財務長官とショイブ レ独財務相は、欧州首脳が先週表明したユーロ圏の金融安定を守るため に必要なあらゆる措置を講じるとの姿勢を支持した。

ウェルズ・ファーゴ・アドバンテージ・ファンズのファンドマネジ ャー、アン・ミレッティ氏は「欧州当局はこれまで債券購入のような対 策について前向きでないと市場は懸念していたが、積極的な対応姿勢が 見られ始めたのはポジティブなことだ」と語った。

JPモルガンは2%安の36.14ドルと、ダウ平均の構成銘柄中で値 下がり率最大。ドイツ銀行はJPモルガンの投資判断を「ホールド」に 引き下げた。利益予想が高過ぎる可能性を指摘している。

決算不振

ロウズは5.2%安の39.54ドルで、下落率は昨年8月10日以来で最大 となった。同社の第2四半期決算は、利益が前年同期比78%減の5600万 ドルとなった。

S&Pの住宅建設株指数では、構成する11銘柄中9銘柄が下落。同 指数は今年に入り27日までに51%上昇していた。売上高で米最大の住宅 建設会社パルトグループは3.4%安の11.60ドル。シティグループが投資 判断を「買い」から「ニュートラル」に引き下げたことが嫌気された。

太陽光発電の関連株も値下がり。太陽光パネルの供給過剰不安や、 欧州での補助金削減で売り上げが落ち込むとの懸念が背景にある。トリ ナ・ソーラーは11%安の4.84ドル。第2四半期の出荷見通しを下方修正 したことに反応した。

原題:S&P 500 Snaps Two-Day Rally Amid Concern About Economic Growth(抜粋)

◎米国債:反発、ECBの債務危機対策は不十分との懸念から逃避需要

30日の米国債相場は反発。欧州中央銀行(ECB)による国債購入 では域内のソブリン債危機を封じ込めるには不十分との見方から米国債 への需要が高まった。

この日は10年債利回りが低下。ECBは8月2日に金融政策会合を 開く。10年債利回りは今月25日に過去最低の1.3790%を記録。欧州の財 政問題が経済成長に悪影響を及ぼすとの懸念が背景だった。その後、欧 州当局者がユーロ防衛を表明すると利回りは上昇した。米財務省は7- 9月(第3四半期)の政府純借入額見通しを引き上げた。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は、「27日の米国債相場は先走 りしていた」と述べ、「この日は完全に反転した。不透明感はまだ強 い。欧州では特にそうだ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時2分現在、10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下げて1.50%。同年債価格(表面利率1.75%、2022年5月償 還)は13/32上げて102 1/4。

インターディーラー・ブローカー最大手ICAPによると、午後5 時1分現在、米国債の売買高は2034億ドル。27日は3303億ドルだった。 年初来からの平均は2401億ドルとなっている。

FOMC会合

米連邦公開市場委員会(FOMC)は31日から2日間の会合を開始 する。前回のFOMC会合では量的緩和第3弾の実施は見送られたが、 バーナンキ議長は今月行った議会証言で景気浮揚に向け「追加措置を取 る」用意があると述べた。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジャ ージー氏(ニューヨーク在勤)は、「FOMC声明のトーンはハト派寄 りだろう。しかし最終的には現在の金融政策と大きく異なる政策を打ち 出すことはないだろう」と述べ、「9月が恐らく新たな政策方針を示す 時期だとみている」と続けた。

米労働省が3日に発表する7月の雇用統計では非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比で10万人増が見込まれている。 6月は8万人増だった。

純借り入れ所要額

ニューヨーク連銀は長期借り入れコストの抑制をめざし、残存期間 が長めの国債を購入し期間が短い国債を同額売却するオペレーション・ ツイスト(ツイストオペ)の一環としてこの日、2036年2月から42年2 月に償還を迎える米国債18億ドル相当を購入した。

米財務省は第3四半期の純借り入れ所要額予想を上方修正したが、 歳入減と歳出増、州・地方自治体の債券発行増加などが背景。

財務省は、7-9月期の純借入額見通しを4月時点の予想から120 億ドル増額し、2760億ドルとした。同省は10-12月(第4四半期)の純 借入額については3160億ドルとの見通しを示した。4-6月(第2四半 期)の借入額実績は1720億ドル。見通しは1820億ドルだった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、米国債のリターンは今月から27日まで0.7%。年初来では2.4%とな っている。

原題:Treasuries Rise on Skepticism ECB Will Stem European Debt Crisis(抜粋)

◎NY金:4日続伸、FOMCやECBの追加緩和措置に期待

ニューヨーク金先物相場は続伸し、過去6週間で最長の4営業日連 続高となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)と欧州中央銀行 (ECB)が成長促進策を強化するとの観測が強まった。

FOMCは31日と8月1日に、ECBは翌8月2日にそれぞれ政策 決定会合を開く。今週はイングランド銀行(BOE)も政策委員会を開 催する。金は2008年12月末から11年6月にかけて70%急伸した。 FOMCが政策金利を過去最低に維持し、2度にわたる量的緩和プログ ラムで総額2兆3000億ドル相当の債券を購入したことが背景にある。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシ ュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「今週のFOMCやECB による追加措置を期待する向きもある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前週末比0.1%高の1オンス=1624ドルで終了した。

原題:Gold Gains for Fourth Straight Day on Global Stimulus Outlook(抜粋)

◎NY原油:5日ぶり下落、ドルの対ユーロ上昇が重し

ニューヨーク原油先物相場は5営業日ぶりに下落。ドルが対ユーロ で上昇したことや、主要中央銀行が今週発表する措置では景気てこ入れ に不十分との見方から、売りが優勢になった。

7月のユーロ圏景況感指数が前月から悪化したことを背景に、ドル は対ユーロで3週間ぶり安値から反発した。今週は米連邦公開市場委員 会(FOMC)と欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行 (BOE)が政策会合を予定している。ECBのドラギ総裁とガイトナ ー米財務長官は30日にフランクフルトで会談する。

コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイ ス)のチーフ市場ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は「ドルがか なり値上りしており、それが原油相場の重しになっている」と指摘。 「今週発表され得る追加措置に対する疑念が市場に広がり始めている。 大規模な金融緩和への期待が既に高まっているため、失望に変わりやす い」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前週末 比35セント(0.39%)安の1バレル=89.78ドルで終了。年初から は9.2%値下がりしている。

原題:Oil Falls for First Time in Five Days on Dollar Gain Versus Euro(抜粋)

◎欧州株:3日続伸、危機対策への期待で-資源株と自動車株に買い

欧州株式相場は上昇し、4月以来の高値となった。欧州中央銀行 (ECB)が債務危機収束へ向けた措置に支持を取りつけるとの期待が 背景。

フランス・オランダ系航空会社、エールフランス・KLMグループ は19%急伸。4-6月(第2四半期)の赤字が前年同期から減少したこ とが手掛かり。ロシアの鉄鋼会社エブラズとイタリアの自動車メーカ ー、フィアットを中心に資源株と自動車株も買われた。仏広告会社、 JCデコーは6.9%下げた。1-6月(上期)利益が13%減少したこと が嫌気された。

ストックス欧州600指数は前週末比1.6%高の263.94で終了。3日間 の上昇率は5.4%と、昨年11月以降で最大の上げとなった。先月4日に 付けた年初来安値からは13%上げている。

チャールズ・スタンレーのマターリー部門(ロンドン)のファンド マネジャー、ジョージ・ゴドバー氏(ロンドン在勤)はブルームバーグ テレビジョンとのインタビューで、「こうした状況は以前にもあった。 実際に行動するかを見極める必要があり、これが実際のところ重要だ。 大きく前進する必要はないが、ロードマップの指針となるものでなけれ ばならない」と続けた。

中央銀行当局者2人が27日に匿名を条件に語ったところによると、 ドラギ総裁の提案には、欧州の救済基金による発行市場での国債購入が 含まれており、過去最低の政策金利の確実な浸透を目的とするECBの 流通市場での国債購入によってこれを側面支援する。

30日の西欧市場では、アイスランドを除く主要国で株価指数が上昇 した。

原題:European Stocks Advance as Policy Makers Pledge Support on Euro(抜粋)

◎欧州債:スペイン債続伸、国債購入期待で-独2年債利回り過去最低

30日の欧州債市場ではスペイン国債が4営業日続伸。借り入れコ ストの上昇抑制と債務危機緩和に向けて、ユーロ圏当局が周辺国国債の 購入を再開するとの期待が背景。

7月のユーロ圏景況感指数が市場予想以上に低下したことから安全 を求める動きが広がり、ドイツ2年債利回りは過去最低を更新した。イ タリア国債は下落。同国はこの日の入札で54億8000万ユーロ相当 の証券を発行した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は先週、ユー ロ防衛のためあらゆる措置を取ると表明。8月2日の政策決定会合を控 え、同総裁はスペインとイタリアの借り入れコスト引き下げを目指した 計画への各国の政府・中銀からの合意取り付けに取り組んでいる。

コメルツ銀行の債券戦略責任者、クリストファー・リーガー氏(フ ランクフルト在勤)は、債務危機収束に向けた「ある種の協調行動への 期待がスペインとイタリア国債の原動力となっている」と指摘。「こう した期待が失望に変わるリスクは高い。週内にすべての具体策を得られ ない可能性があり、相場の不安定な状態は恐く続くだろう」と続けた。

ロンドン時間午後5時現在、スペイン10年債利回りは前週末比 13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の6.61%。先 週は52bp下げていた。同国債(表面利率5.85%、2022年1月償 還)価格はこの日、0.86上げ94.69。25日には7.751%まで上げ、 ユーロ導入後の最高を記録した。

イタリアは入札で2015-22年償還の国債54億8000万ユーロ 相当を発行。発行額は目標上限の55億ユーロにほぼ一致した。10年 債の平均落札利回りは5.96%と6月28日の前回入札時の6.19%を 下回った。5年債の利回りは5.29%(6月は5.84%)だった。

既発10年債の利回りは7bp上昇し6.03%。25日には

6.71%と、1月16日以来の高水準に達した。

ドイツ2年債利回りは5bp低下のマイナス0.08%。一時はブル ームバーグがデータを取り始めた1990年以降で最低となるマイナス

0.096%に低下した。17営業日連続でマイナス圏にとどまっている。

英国債

英国債相場は3営業日続落。10年債利回りは前週末比1bp上昇 の1.54%。23日には1.407%まで下げ、これまでの最低となった。 同国債(表面利率4%、2022年3月償還)価格はこの日、0.08下げ

121.84。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS)が まとめた指数によると、英国債の過去1年のリターンは16%。これに 対し、ドイツ国債は11%、米国債は9%となっている。

原題:Spanish Bonds Advance on Speculation ECB to Resume Bond Buying(抜粋) Pound Falls Versus Dollar on Concern U.K. Recession Is Deepening (抜粋)