三井住友FG:純利益4割減も、海外融資は2割増

三井住友フィナンシャルグループ が30日、第1四半期(2012年4-6月)の連結決算を発表した。保有株 式の償却などで、純利益は前年同期比4割減の1178億円と振るわなかっ た。ただ、決算の詳細をみると、債務危機の長期化で欧州銀行が慎重姿 勢となる中、海外融資を伸ばしている姿が浮き彫りになった。

三井住友FGが30日東証で開示した資料などによると、国内向けの 伸び悩みで全体の融資残高(三井住友銀行単体)は去年の6月末比 で1.5%マイナスとなった。しかし、海外向け融資の残高は21%増の9 兆4100億円まで拡大した。この結果、海外収益比率は過去最高の34.3% に高まった。

UBS証券の伊奈伸一アナリストは三井住友FGの海外収益につい て、「融資残高拡大は成長戦略として評価するが、過去最高の海外収益 比率は裏返せば国内の落ち込みを示している」と指摘。その上で、「国 内の利ザヤは縮小しており、海外での積極戦略とともに、国内の停滞を いかに抑えるかも重要になってくる」と分析した。

三井住友FGのIR資料によると、海外融資残高の3月末と比較す ると、全体では80億ドル増の1360億ドル。内訳は欧州が横ばいの400億 ドル、米州が50億ドル増の430億ドル、アジアが20億ドル増の520億ドル となった。海外融資の比率は国内を合わせた全体の残高(55兆9200億 円)の17%となった。

国債取引収益がカバー

三菱UFJ、みずほFGの2つの邦銀メガバンクグループ は31日 午後に、第1四半期決算を発表する予定だ。

三井住友FGの30日の発表資料によると、国債取引収益などを含む その他業務利益が同71%増の1071億円と好調で、本業のもうけを示す連 結業務純益は同10%増の3010億円となった。しかし、株式関係損益 が688億円、与信関係費用が196億円のそれぞれマイナス要因となった。

UBSの伊奈氏は、三井住友FGの決算について「進捗はほぼ計画 通りで、内容は想定内」と評価。「株式損益の落ち込みを国債売買益な どでカバーしており、手堅さを感じる。減益要因の一つである株式の減 損は保有する電機株などの下落が響いたのではないか」とみている。

--取材協力:河元伸吾、佐藤茂 Editor: 平野和