NY外為:ユーロ反落、ECB政策会合控え-国債購入観測

ニューヨーク外国為替市場ではユー ロがドルに対して4日ぶりに下落。欧州域内のソブリン債利回りの上昇 を抑制するため、欧州中央銀行(ECB)がバランスシートを膨張させ るとの観測が広がった。

ユーロは円に対しほぼ2週間ぶり高値から下落。ECBの政策決定 会合を8月2日に控え、スペイン国債が上昇幅を拡大した。ドラギ ECB総裁は先週、ユーロを守るためにあらゆる措置を講じると表明。 政策当局が国債市場に介入する可能性を示唆した。スウェーデン・クロ ーナは上昇。同国の国内総生産(GDP)がアナリスト予想を上回る伸 び率となったことが好感された。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニア為 替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏(ニューヨーク在勤) は「ドラギ総裁のコメントは週末を通して解釈が深まった。ユーロは継 続的な売り圧力にさらされることになるだろう。追加緩和は全てユーロ の売り材料とみなされる」と解説。「ユーロには現時点でかなりの売ら れ過ぎ感があり、政策決定会合を前に利益確定の取引が出る可能性もあ る」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時13分現在、ユーロはドルに対し前週末 比0.6%安の1ユーロ=1.2254ドル。前週は1.4%上昇していた。ユーロ は今月に入り3.3%下落。年初来では5.5%安となっている。円に対して は前週末比0.9%安の1ユーロ=95円81銭。先週27日には97円34銭 と、17日以来の高値に上げる場面も見られた。この日の円は対ドル で0.4%高の1ドル=78円19銭となっている。

ボラティリティ高まる

1週間物ユーロ・ドルオプションのインプライドボラティリティ( IV、予想変動率)は6月15日以来の高水準に近づき、11.933%。前週 は11.945%を付ける場面もあった。

シティグループのG10(主要10カ国)通貨戦略責任者を務めるステ ィーブン・イングランダー氏(ニューヨーク在勤)はこの日、ブルーム バーグ・ラジオとのインタビューで「ECBの国債購入をめぐる憶測が ユーロ相場を左右するだろう」とした上で、「私自身は少なくとも今週 はユーロに強気だ」と述べた。

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によると、ユーロの年末 相場は1ユーロ=1.23ドルが見込まれている。

中央銀行の当局者2人が27日明らかにしたところでは、欧州の救済 基金による発行市場での国債購入がドラギ総裁の提案には含まれてお り、過去最低の政策金利の確実な浸透を目的とするECBの流通市場で の国債購入によってこれを側面支援する。当局者の1人によると、 ECBによる一段の政策金利引き下げと銀行向けの長期資金供給も議論 の対象となる。

ユーロ防衛

30日のスペイン10年債利回りは6.61%と、前週25日に付けたユーロ 導入後最高の7.75%を下回った。

ガイトナー米財務長官とショイブレ独財務相はこの日、金融危機と ユーロ圏の信頼感の危機を克服するために必要な改革をすべて実施する との欧州首脳の決意を支持した。最も弱体化しているギリシャについて は触れなかった。ドイツのジルト島での会談後に共同声明を発表した。

一方、ムーディーズ・インベスターズ・サービスはリポートで、 ECBがユーロを守り抜く決意は必要なものと認めつつ、それだけでは 債務危機の解決には不十分との見方を示した。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏(ニ ューヨーク在勤)は「ECBの決定がどちらに転んでも、ユーロは下げ る」と予想。「ECBが措置を手控えれば、リスクは高まったままでユ ーロ圏崩壊の懸念が再燃する。ECBがソブリン債購入や緩和策を強化 すれば、また違った世界だ。その場合は典型的なユーロの下げ要因とな る」と述べた。

原題:Euro Drops Before ECB on Bond-Purchase Speculation; Krona Climbs(抜粋)

--取材協力:Chris Fournier、Lukanyo Mnyanda.