日本株約20年ぶり割安、企業の現金保有は最高水準-障害は円高

日本の株式市場停滞や高齢化、緩 慢な世界経済の回復は、企業が保有する過去最大規模の現金や20年ぶり 低水準に近づいた株式のバリュエーション(株価評価)といった面を見 えにくくしている。

ブルームバーグが集計した最新データによると、TOPIXを構成 する1671社は計105兆2000億円の現金を保有している。この額は、これ ら企業の時価総額の41%に相当する。また債務よりも保有する現金の方 が多い企業が全体の半分近くに上る。この比率はTOPIXとして過去 最高。同時に、TOPIXが1989年以降75%下落したことで、同指数の 株価純資産倍率(PBR)は0.86倍と、20年ぶり低水準まであと4%と なった。

強気派は、これらの要素が日本株の魅力を高めているとみる。企業 利益が昨年の大震災の影響から回復している上、各社は自社株買い戻し と配当のための支出を増やしている。支出額は2006年以降に倍増した。 一方、弱気派は、日本は過去20年にわたって投資家を失望させてきたと し、保有現金の増加は弱まる景気回復と円高を背景に企業が投資に消極 的なことを示しているとみて慎重姿勢を崩していない。

米オークマーク・インターナショナル・ファンドのマネジャー、デ ービッド・ヘロー氏は「日本株は世界の他地域よりも大幅に割安だ」と 指摘。「日本の株式市場に真に火を付けるのは、資産配分の改善加速と 円安だ。私は、日本株が大きく上昇するのを妨げている要因はこの2点 だけだと思う」と述べた。同氏は過去10年、米調査会社モーニングスタ ーの国際ファンドマネジャーでもある。

ブルームバーグのデータによれば、TOPIXは3月27日以降17% 下落し、PBRでMSCI世界指数の半分程度となっている。

先進国で最高

ブルームバーグの集計によると、企業利益は今年55%増益、13年 は12%増益が見込まれている。TOPIX構成企業のうち債務より保有 現金の方が多い企業の割合は全体の半分近く。これは先進諸国の指数の 中で最も高い。同比率は、米S&P500種株価指数の構成企業では25% 未満、英FT100構成企業では20%未満にすぎない。

ブルームバーグがまとめたストラテジスト予想によれば、 TOPIXは年末までに900と、現行水準から24%上昇する見通し。 S&P500種の値上がり予想は1%未満となっている。

国際通貨基金(IMF)は今月、日本の今年の成長率見通し を2.4%とした。昨年の震災からの回復を織り込んでおり、他の先進国 を上回る伸びだ。

原題:Record Cash Collides With Yen as Topix Valuation Nearing Low (1)(抜粋)

--取材協力:Whitney Kisling、Bill Austin.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE