ユーロが反落、欧州景気の先行き懸念-米欧金融政策を見極め

東京外国為替市場ではユーロが反 落。欧州危機への対応策に対する期待感を背景に前週後半は上昇基調を 維持していたものの、景気の先行きに対する懸念に変化はなく、ユーロ の戻りは限定された。

ユーロ・ドル相場は前週末に一時1ユーロ=1.2390ドルと、今月6 日以来の水準までユーロ高が進行。東京市場では午前に1.23ドル台を割 り込んで1.2284ドルまで水準を切り下げ、午後にかけて1.22ドル台後半 で推移した。前週末に一時1ユーロ=97円34銭と、17日以来の高値を付 けていたユーロ・円相場も、東京市場では96円台前半で取引され、一時 は96円26銭まで下落した。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁に加え、独仏首脳も含め、ユーロ圏当局者がそ ろい踏みで「何とかしないといけない」という雰囲気はあるとし、目先 はユーロの下値不安が緩和していると指摘。ただ、年末にかけて見通し た場合は、欧州債務問題が「なかなか解決しない」という見方は根強い とし、ユーロの先安観が残り、「戻ったところではやはり売り意欲の強 さがある」と言う。

一方、ドル・円相場は前週末の海外市場で一時1ドル=78円68銭 と、20日以来の水準までドル高・円安が進んでいたが、週明けの東京市 場では、対ユーロでの円買いに押されて、78円台前半に円が水準を切り 上げた。午後3時40分現在は78円39銭付近で推移している。

欧州景気懸念

国際通貨基金(IMF)は27日付の報告書で、2013年のスペイン経 済成長率見通しをマイナス1.2%とし、今月示した予想のマイナス0.6% からマイナス幅を2倍に修正した。また、今年の見通しについても、マ イナス1.7%成長と、従来予想のマイナス1.5%から下方修正。失業率 は24.9%を見込んでいるという。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作シニア為替・債券 ストラテジストは、日米欧で比較すれば、最も景気が悪いのは欧州だと し、「欧州債務問題の解決のため、流動性供給や金融緩和など、金融政 策にかなりの負担が掛かるので、まだユーロはファンダメンタルズ的に はしんどい」と言い、「長い目で見るとユーロは弱い」としている。

一方、今週は米連邦準備制度理事会(FRB)が7月31日、8月1 日の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)を開くほか、翌8月2日に はECBの金融政策決定会合が予定されている。

前週末の海外市場では、ECBによるユーロ防衛に向けた対応策へ の期待感が持続し、米国ではダウ工業株30種平均が5月以来となる1 万3000ドル台を回復。米国債相場は3日続落し、10年債の利回りは3週 間ぶりの水準に急伸した。欧州債市場では、スペインとイタリアの国債 が買われ、イタリアの10年債利回りは1週間ぶりに6%を下回った。

ECBのドラギ総裁は、債券購入を含む新たな一連の措置を導入す るため、ドイツ連銀のバイトマン総裁と近く協議する。ECB当局者2 人が明らかにした。また、ドイツのメルケル首相とフランスのオランド 大統領は27日、ユーロを守るために「あらゆる措置」を取ると表明し た。

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは週報 で、ECBのユーロ防衛のコミットメントは必要だが、債務危機の解決 に十分な条件ではないと指摘。ECB理事会メンバーの間に意見が相違 している領域が依然として存在するとしている。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、ユーロを守るた めにあらゆる措置を取るという方針が示されたが、具体的な内容を見極 めないうちは、「本格的にユーロを買い戻せる状況ではない」と指摘。 仮に対策が打ち出されたとしても、「それが実体経済に浸透するには相 当時間がかかる」とし、当面は域内経済指標の悪さを受けてユーロが売 られるというパターンが考えられるとみている。

--取材協力:近藤雅岐 Editors: 青木 勝, 山中英典

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