日本株3日続伸、欧州政策期待でリスク回避和らぐ-ゴム、紙パ高い

東京株式相場は3営業日続伸。欧 州の政策当局者が債務危機への対応策を打ち出すとの期待感が広がり、 投資家のリスク回避姿勢が和らいだ。ゴム製品や輸送用機器など輸出 関連、パルプ・紙や金融、不動産株などが高い。医薬品、水産・農林、 陸運といったディフェンシブ業種も堅調だった。

TOPIXの終値は前週末比5.30ポイント(0.7%)高の731.74、 日経平均株価は同68円80銭(0.8%)高の8635円44銭。

りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは、「欧州で の追加金融緩和など政策サポートに対する期待感から、前週末の欧米 株が軒並み高で終えたことが追い風になった」と指摘した。

ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領は27日、両国 はユーロ圏を維持するという強い義務を共有しているとの認識を示し、 欧州単一通貨を守るために必要なあらゆる措置を取る、と表明。メル ケル独首相は28日、イタリアのモンティ首相と電話会談し、ユーロ圏 防衛であらゆる措置を取ることで合意した。

また、2人の欧州中央銀行(ECB)当局者によると、ドラギ総 裁は8月2日の定例理事会に先立ち、債券購入を含む新たな一連の措 置を導入するため、ドイツ連銀のバイトマン総裁と近く協議する予定。 ドラギ総裁は、他のECB政策当局者らにも接触しており、コンセン サス形成に努めているという。

最悪シナリオ回避も買いの勢い限定

野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、EC Bのドラギ総裁が26日にユーロを守る決意を表明、その後も独仏伊首 脳が同調したことで、「欧州債務問題の一段の深刻化、世界的な景気悪 化の悪循環に陥る最悪のシナリオはひとまず免れそう」と言う。

週明けの日本株は、欧州政策期待で27日の欧米株式が上昇した流 れを受け継ぎ、朝方から幅広い業種に買いが先行。日経平均は一時 8663円と、1週間ぶりに8600円台に乗せた。これまでの下げが目立 った業種、銘柄にリターンリバーサル狙いの買いも入り、きょうの東 証1部33業種の上昇率上位に並んだ紙パ、保険などは、TOPIXが 直近高値を付けた4日から前週末までの下落率上位業種だった。

一方、この日の取引開始前に経済産業省が発表した6月の鉱工業 生産指数(速報値)は前月比0.1%低下し、3カ月連続のマイナスと なった。自動車や半導体製造装置などが低下したためで、事前予想の 同1.5%上昇を下回った。先行きの生産動向を示す製造工業生産予測 指数は、7月が前月比4.5%上昇、8月は同0.6%低下。同省では、生 産基調について「総じてみれば、生産は横ばい傾向にある」と下方修 正しており、国内経済の先行き懸念が相場全般の重しとなった。

午後の日本株は伸び悩む展開で、2時前にはTOPIXが前週末 終値をわずかに上回る水準まで上げを縮めた。水戸証券の須田恭通投 資情報部長は、「欧州で出てきたのはECBのドラギ総裁や各国首脳に よるユーロ防衛に向けた決意表明のみで、具体策の言及があるわけで はない」とし、今週のECB理事会などに「過大な期待は持てない」 としていた。また野村証の佐藤氏は、オリンピックの開会で投資家も 夏休みモードに入る中、「今週は国内企業の決算発表がピークを迎える が、今のところ全体的に下方修正含みで積極的な買いポジションは取 れない」と話している。

個別では、JPモルガン証券が投資判断を引き上げた富士フイル ムホールディングスが急伸。4-6月期の連結営業利益が前年同期比 94%増となったコニカミノルタホールディングスも高い。

これに対し、4-9月期(上期)の連結純損益が850億円の赤字 (前年同期は488億円の黒字)に転じる見通し、と午後1時半に公表 した新日本製鉄が急落。4-6月連結営業利益が10四半期ぶり減益の もようと、28日付の日本経済新聞朝刊で報じられたコマツが安く、4 -6月の純損益が120億円の赤字となった東北電力、同四半期の最終 赤字が市場予想よりも拡大した富士通は大幅安となった。

東証1部の業種別33指数では26業種が上昇した半面、電気・ガ ス、鉄鋼、鉱業、電機など6業種は下落。空運は変わらず。騰落銘柄 数は上昇1247に対し、下落312。売買高は概算で14億4921万株。売 買代金は8715億円。国内新興市場では、ジャスダック指数が0.1%高 の50.90と小幅に続伸、東証マザーズ指数は2.4%安の318.79と続落。