債券下落、長期・超長期中心に売り優勢-欧州危機対応で米債安・株高

債券相場は下落。欧州債務問題に 向けた対応が強化されるとの観測を背景に株高・債券安となった前週 末の米国市場の流れを引き継いだ。先物は約3週間ぶりの安値を付け たほか、現物市場では長期や超長期債を中心に売りが優勢となった。

SMBC日興証券金融経済調査部の山田聡部長は、「前週末の欧米 市場で政策期待が 高まり、リスクオン(選好)となった地合いを受け て、長期・超長期債を中心に売りが出た」と述べた。

東京先物市場で中心限月9月物は3営業日続落。前週末比17銭安 の144円18銭で開始。いったん13銭安の144円22銭まで下げ幅を縮 小したものの、再び売りが膨らみ、午後に入ると一段安。結局28銭安 の144円07銭と、日中取引ベースで7月11日以来の安値で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の324回債利回り は前週末比1ベーシスポイント(bp)上昇の0.755%で始まった。その 後も徐々に水準を切り上げ、午後3時過ぎには3.5bp高の0.78%と、 12日以来の高水準を付けた。5年物の105回債利回りは1bp高い

0.19%と、19日以来の高水準。

20年物の138回債利回りは3bp高い1.60%に上昇。新発20年債 利回りとしては12日以来の高水準を付けた。30年物の36回債利回り は3bp高い1.80%と、12日以来の水準まで上昇した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニア債券スト ラテジストは、2日の10年債入札が欧州中央銀行(ECB)政策理事 会と重なるとし、「投資家はECB結果待ちで様子見姿勢となる可能性 があり、同入札に向けた水準調整の動き」と語った。

10年入札に向けた調整も

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「欧米の金融政策 を見極めるため動きづらいが、米債利回りがかなり上昇したこともあ り、入札に向けて調整した」と説明していた。今週8月2日には10 年利付国債(8月債)の入札が実施される。

27日の米国債相場は3日続落。米10年債利回りは前日比11bp上 昇の1.55%程度。ドラギECB総裁が新たな救済措置導入へ向けドイ ツ連銀のバイトマン総裁と協議するとの報道が手掛かり。独仏首脳が ユーロを守るために必要な「あらゆる措置」を取ると表明したことも 米国債の売りにつながった。一方、米株相場は上昇。S&P500種株 価指数は1.9%上昇して1385.97。

経済産業省が朝方に発表した6月の鉱工業生産指数は前月比

0.1%低下となった。ブルームバーグ調査では同1.5%上昇が見込まれ ており、予想に反して3カ月連続で低下した。製造工業生産予測指数 は7月は同4.5%上昇、8月は同0.6%低下となった。

三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「生産は予想以 上に弱かった。欧州問題や米中経済の収縮などが背景となっている。 7月の生産予測が上方修正されたが、8月は再び低下予測となってお り、全体の基調は良くない。債券には支援材料となるものの、きょう は米国債利回り上昇の影響が大きいようだ」と分析していた。

あす2年債入札、利率0.1%か

財務省はあす31日、2年利付国債(8月債)の価格競争入札を実 施する。前週末の入札前取引では0.1%程度で推移。このため、表面 利率(クーポン)は8回連続で0.1%となる見込み。発行額は前回債 と同額の2兆7000億円程度。

SMBC日興証の山田氏は、きょうの債券市場では長いゾーンを 中心に全体的に利回りが上昇したとしながらも、「2年債利回りは変わ っていない。残存3年までは日銀が買い入れを継続している年限なの で、入札に影響はない」との見方を示した。

--取材協力:船曳三郎 Editors:山中英典、青木勝

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