中国江蘇省の排水管設置計画、市が撤回発表-数千人のデモで

中国東部の江蘇省当局は、日本の王 子製紙の合弁工場からの汚水を流す排水管の設置計画を撤回した。数千 人の住民が計画に抗議し、デモ参加者が暴徒化する事態となっていた。

江蘇省南通市の市長は28日、計画が恒久的に中止されると発表。抗 議デモが発生した啓東地域の副市長は前日、排水管の建設停止を表明し ていた。

中国では産業計画に伴う環境汚染を懸念する住民と地方当局との対 立が相次いでいる。今月初めには南西部の都市、四川省什邡での銅モリ ブデン工場の建設に数千人が抗議。北東部の遼寧省大連市では昨年、環 境上の理由による抗議行動によって化学工場が閉鎖に追い込まれてい る。

香港中文大学のウィリー・ウォラップ・ラム非常勤教授は29日の電 話インタビューで啓東の抗議デモについて、「一般の人々が自らの権利 について認識を高め、権利の主張に一段と前向きになりつつあることの 表れだ」と述べた。

同教授は、今回の例は「当局による抗議行動への対応が一層巧妙化 してきたことも示している」と指摘。「反共産党や反政府」の行動とな り得ると当局が解釈した場合には「情け容赦ない」弾圧につながるが、 「基本的に経済や環境に関する抗議だと見なせば、当局は取引するのに 前向きな姿勢だ」と説明した。

王子製紙は27日に同社の中国語ウェブサイトに掲載した発表文で、 排水管は工場に付随するプロジェクトであり、王子製紙の合弁事業によ って実行されるものではないと指摘。啓東の工場では排水前の施設内の 処理で非常に厳格な管理システムを導入していると説明した。

原題:Chinese City Halts Plant’s Waste Project After Thousands Protest(抜粋)

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